2019年(令和1年) 7月30日(火)付紙面より
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鶴岡地区歯科医師会(毛呂光一会長)の市民公開講座が27日、鶴岡市の出羽庄内国際村ホールで行われた。日本歯科大新潟生命歯学部口腔外科学講座の田中彰教授を招き「認知症と口腔ケア?お口の健康と認知症」と題され、300人が聴講した。
「口腔をケアし、環境悪化を防ぐことで、認知症(アルツハイマー型)の進行を抑制できる」の趣旨で、田中教授は事例を挙げながら講義した。おいしく口から食べるための機能として「咀嚼(そしゃく)=かむこと。嚥下(えんげ)=のみこむこと。唾液=味覚を敏感にすること」の各機能が大切と説き、長生きした「きんさん・ぎんさん双子姉妹」のうち「歯があまりなかったきんさんは咀嚼は得意ではなかった。だが重要な要素は舌の動き、力だった」といい「むせないよう、食べこぼしがないよう舌の筋力がうまく働き、衰えなかった。食べる意欲が達者だったから、100歳を超える長生きにつながった」と説いた。また「抗菌作用があり、味覚神経を敏感にする酵素が含まれる唾液は重要」と説明した。
口腔清掃自立の3要素としては1歯磨き2義歯の着脱3うがい―が口腔環境の悪化および認知症の進行を防ぐとし、習慣付けと励行を促していた。