2019年(令和1年) 12月22日(日)付紙面より
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クリスマスを前に20日、6月の本県沖地震の影響で破損した鶴岡カトリック教会天主堂(鶴岡市馬場町)のイエス・キリスト像が修復を終え、約半年ぶりに聖堂の祭壇に再安置された。
キリスト像の来歴は定かにはなっていないが、1901年にヨーロッパで作られたとみられる。同天主堂保存協力会の佐藤晃事務局員は御心(みこころ)像として信仰のよりどころ。信者からはクリスマスまでには、との声が寄せられており、間に合って良かった」と話す。
6月18日に発生した地震では、キリスト像(高さ約90センチ)と聖フランシスコ・ザベリオ像(同約40センチ)の石こう像2体が安置してあった祭壇から床に落下。2体とも像の頭部と胴体が分離する惨事に見舞われた。このほか国の重要文化財にも指定されている天主堂の建物も被災。2体の像修復で約45万円、建物修繕で約74万円を要したという。建物に関しては、総修繕費の半分を補填(ほてん)する市の助成を活用した。
修復は、東北芸術工科大文化財保存修復研究センター研究員の藤原徹さん(68)=上山市、文化財修復工房明舎代表=が担当。剥落や破損部分の固定など約2カ月にわたる作業を経て今月に入り完了。
再安置の20日は、地元業者による建物修繕も並行して行われた。慎重な手つきで祭壇に戻し、落下しないように固定した。
24日(火)には、午後7時から降誕祭夜半ミサが行われる。一般参加も可能となっている。