2019年(平成31年) 1月25日(金)付紙面より
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鶴岡市内で今冬、体重100キロ超とみられる大型のイノシシの捕獲や、過去に例のない市街地での幼獣の群れの目撃情報が寄せられるなどしている。山梨県で20日、イノシシに襲われた狩猟中の男性が死亡する人的被害も発生している中、鶴岡の猟友会関係者は「庄内でも近年生息数や目撃情報が急増する中、いずれ人にも被害が及ぶことになる」と危機感を強める。
鶴岡市農政課などによると、昨年12月22日午後11時40分ごろ、同市城南町地内で、幼獣とみられる6頭の群れを目撃したと住民から鶴岡警察署に通報があった。パトカーも出動したが、その後の目撃はなかった。関連は不明だが、同10時ごろには同市上山添や三千刈周辺で、成獣と幼獣の群れが地元猟友会の男性によって目撃されている。車で追跡したというこの男性は「櫛引ではこれまで目撃がなく、驚いた。ライトを当てても、クラクションを鳴らしても意に介さなかった」と振り返る。
狩猟実績は県が年度末にまとめるため、本年度狩猟期間(昨年11月15日から今年3月31日まで)の現段階でのイノシシ捕獲の全体像は把握できないものの、県猟友会鶴岡支部事務局は、「この冬、藤島や田川、これまで捕られなかった朝日で100キロ以上とみられる大型の捕獲もあったと聞いている。例年よりも多く捕れているのではないか」とし、生息数の増加や天候などの条件に恵まれたことを要因として推測する。
田川地区では今月13日昼ごろ、体長約170センチ、体重100キロ超とみられる雄1頭が地元猟友会の男性(70)によって捕獲された。前日の12日、同市砂谷の住民から目撃情報が寄せられていたという。男性は「長年相手にしてきたクマとは違う。イノシシの生態に対する知識や、狩猟者の経験も十分でない。頭数が急増し、生息域が拡大している中で、山梨のように人への被害も発生してしまうだろう」と現状を危惧。狩猟者の減少に「生業として狩猟を持続できるような行政の支援を求めたい」と訴えていた。
2019年(平成31年) 1月25日(金)付紙面より
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東日本大震災の発生から8年を迎える今年3月11日(月)に酒田市中心部で行われる「8年目のキャンドルナイトin中町」に向けて、東北公益文科大学(同市、吉村昇学長)で24日、当日夜にともすキャンドルを製作するワークショップが始まった。25日(金)までの2日間、学生有志や教職員、一般市民が取り組む。
酒田のキャンドルナイトは、追悼の灯で被災地に祈りを届けようと、同市字新屋敷の生涯学習施設「里仁館」(冨士直志館長)が中心となり2013年から毎年、3月11日夜に開催。今年は同市中町二丁目の市中町にぎわい健康プラザをメーン会場に午後6時から行われる。
里仁館で運営ボランティアをしていた公益大生が実行委員会を結成し14年、公益大地域共創センターの協力で初めて学内でのキャンドル作りワークショップを実施。以来、災害復興ボランティアサークル「ボラぽっけ」=後藤千花代表(2年)=が中心となり、市民参加型で行っている。
両日とも会場は本部棟1階。初日は午前10時のスタート直後から大勢の学生や市民が訪れた。紙コップの中に赤や黄、青といったカラフルなキューブ状のろうを配置、上に芯を置いた後、液状のろうを流し込んで完成。参加者は「力を合わせて頑張ろう」「スマイル」「希望」などとメッセージを書き、紙コップの側面に貼り付けた。25日は午前10時から午後3時まで。
ボラぽっけによると、来月26(火)、27(水)の両日には、当日の会場となる健康プラザでも同様のワークショップを行うという。当日までに計1000個を用意、一斉に火をともして被災地に祈りを届ける。