2019年(平成31年) 3月27日(水)付紙面より
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県教育委員会の3月臨時会が26日、県庁で開かれ、庄内地域に開設予定の庄内中高一貫校(仮称)の整備計画について、鶴岡南、鶴岡北の両高校を統合し県立中学校を新設する従来通りの方向を田川地区の県立高校再編整備計画(第2次計画)へ盛り込むことを決めた。
廣瀬渉教育長をはじめ教育委員など10人が出席。冒頭で18日の第2回庄内地区懇談会の内容について県教委が「庄内の各市町代表者から出された賛否の意見を踏まえた上で、県としては『一定の方向を定める時期に来ている』と考え方を示した」と説明した。
これに対し委員からは「中学校の卒業生の減少は明確な数字となって表れており、学校統合は不可避の問題」「懇談会の中でも議論は出尽くしたと発言があり、これ以上計画を見直す流れはないのでは」「開校までのプロセスや開校後の業務は地域や保護者の考え方を聞きながら、より良い教育環境の実現と子どもたちの将来の幅を広げるためのものとしてほしい」といった意見が出された。
これらの意見を踏まえ、あらためて鶴岡市へ庄内中高一貫校を設置する方針を第2次計画へ盛り込むことを全会一致で決めた。
田川地区の県立高校再編整備計画については、2017年10月に県教委が第2次計画の骨子案を公表。庄内中高一貫校の設置のほか、鶴岡南通信制と鶴岡工業定時制の庄内総合への統合、加茂水産と庄内農業の鶴岡中央への統合などが示された。これにより18年度末時点で田川地区に設置されている県立高校8校は将来的に4校に再編される。
また、庄内中高一貫校については、骨子案では24年に開校予定だったが、1年以上計画が遅れていることを受けて第2次計画では「24年度以降、できるだけ早い時期に開校」とした。学区は県内一円で、鶴岡南と鶴岡北の両校の敷地と校舎を活用する。学級数は高校が普通科6学級と理数科1学級、中学校2?3学級で骨子案と変わっていない。
今後のスケジュールは、庄内中高一貫校は19年度中に教育基本計画の策定を行い、20年度以降に開校準備委員会を設置する。定・通を新設した庄内総合は22年度の開校を予定している。鶴岡中央、加茂水産、庄内農業の統合校は20年度以降から開校準備を進めるが、具体的な開校の時期は今後検討する。
2019年(平成31年) 3月27日(水)付紙面より
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宇宙生物学「アストロバイオロジー」を体験する2泊3日の学習合宿「慶應アストロバイオロジーキャンプ」が鶴岡市の鶴岡メタボロームキャンパスレクチャーホールをメーン会場に開かれている。本県を含む15都府県の高校、高専、大学、大学院生33人が26日まで、科学進化実験実習や国内外で活躍する研究者の講演などを通して最先端の科学に触れる。
同キャンプは慶應義塾大先端生命科学研究所が主催。4年目の今回は「宇宙と地球における生命の起源および進化」をテーマに開催。
2日目の25日は研究者による講演が行われた。「ウイルスの起源を実験室で再現する」と題して講演した東京大大学院特任教授の寺坂尚紘さんは「ウイルスの幾何学的に美しい構造はどのようにできたのか」と興味を持ったのが研究のきっかけの一つと紹介し、「細菌のタンパク質にランダムに変異を入れウイルスのように進化させることに成功したことから、ウイルスの細胞脱出説を研究している」と話した。
愛知県の中部大工学部宇宙航空理工学科1年の山田かん奈さん(19)は「ウイルスなど見えないことを研究することは大変そうだが、自分たちに関わることだから楽しそうで興味を引かれる。今は宇宙について勉強しているが、広い視野を持って勉強したい」と話していた。