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2019年(平成31年) 3月28日(木)付紙面より

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鶴岡の「町民文化」 今に伝える蔵書紹介

 江戸末期にかけて隆盛を誇った地方俳諧の一派、鶴岡美濃派の俳諧短冊や俳書など、鶴岡の町民文化の一端を伝える旧家・平田家(鶴岡市昭和町)の蔵書を紹介しようと、関係者が展示準備を進めている。
「交野屋(かたのや)平田亭」を会場に4月5日(金)から4日間行う「平田家のお雛(ひな)さま展」と併催する計画。平田宏さん(82)=東京都府中市=は「かつての町人階級の知識・教養の水準や、町民文化の足跡を伝える展示にしたい」としている。

 平田家は、伊勢松坂商人にルーツがあるとされ、最上義光の統治時代に鶴岡へ移り住んだ。酒井家の入部後は酒造業などを営んで御用商人となり、明治以降は事業家として地域の発展に貢献した。

 鶴岡美濃派は、芭蕉をはじめ、蕉門十哲の1人で美濃派の始祖・各務支考の来訪を契機として、藩の御用商人など上層町人たちが師匠の立場に当たる宗匠を歴代担いながら発展していった。平田家も7代目宗匠・文明を輩出して地方俳壇の重要な役割を担った。

 平田家で代々伝わる芭蕉の真筆や、俳書や漢書などの古書籍合わせて390点余は、成城大の尾形仂教授らによる1982年―83年の調査を経て平田家蔵書目録としてまとめられていたが、その後の代替わりもあって30年近くほぼ手付かずの状態が続いていたという。当時の蔵書調査にも立ち会うなどしてきた鶴岡市史編纂委員の堀司朗さん(83)は「旧家であってもこうした史料が散逸せずにまとまっていることはまれ。かつての鶴岡の文化を語る上で大変貴重」と蔵書の価値を指摘する。

 約30年ぶりに再び見いだされた形となる蔵書の展示では、短冊や俳書合わせて20点余を展示する予定。江戸時代中期に作られたとされる次郎左右衛門雛といった貴重な雛人形や雛道具などの展示と合わせて、「交野屋平田家お雛さま展?鶴岡美濃派の俳諧と俳人たち」として行われる。

 4月5日(金)から8日(月)までで、いずれも午前10時から午後3時半まで。会場の交野屋平田亭は蔵屋敷LUNA(ルナ)隣。入場料金は500円。

平田家に伝わる古書籍を確認する堀さん(手前)と平田宏さん。当時の鶴岡の町民文化の水準を示す俳書や漢書が多く残っている=2月24日、鶴岡市昭和町(上写真)江戸時代に地元で開かれた句会の短冊や、作品集の俳書の一部(下写真)
平田家に伝わる古書籍を確認する堀さん(手前)と平田宏さん。当時の鶴岡の町民文化の水準を示す俳書や漢書が多く残っている=2月24日、鶴岡市昭和町(上写真)江戸時代に地元で開かれた句会の短冊や、作品集の俳書の一部(下写真)


2019年(平成31年) 3月28日(木)付紙面より

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小中一貫教育とスポーツ振興

 酒田市総合教育会議の本年度第3回会合が26日、市役所で開かれ、「小中一貫教育の推進」と「スポーツ振興」の2テーマについて、丸山至市長と村上幸太郎教育長、市教育委員4人が意見を交わした。

 地方教育行政法に基づき、首長と教育委員会が連携を強めるため自由に意見交換する場で、同市では2015年5月から年3回ほど開いている。

 今回テーマとした「小中一貫教育」は、同市がより良い教育に向けてこれまでも継続的に取り組み、2020年度からスタートする市教育振興基本計画でも重点施策に盛り込む予定。小・中学校間では教え方の違いなどさまざまなギャップがあるといわれる中、市教委では▽教育課程や指導形態に系統性と連続性を持たせる▽小・中教職員間の連携・協働を通して指導力を高める―など5つの視点を柱に、19年度に中学校区単位にモデル校を設定し、20年度からは研究委嘱して本格的に取り組む方針。

 委員からは「何のための連携なのか、市教委が目的を定めるのでなく、各中学校区で検討を」「連携を円滑に進めるためのコーディネーターの配置や、中学教師が小学校で『乗り入れ授業』を行う際、中学側の人材支援が必要」「小中一体型の学校は9年間の連続した教育のメリットもあるが、人間関係が固定されるマイナス面にも配慮を」「研究期間だけでなく、永続的な体制を」などの意見が出た。

 一方、「スポーツの振興」について、市教委は19―29年度を計画期間とする市スポーツ推進計画を策定し、スポーツをしている人・していない人の二極化の是正や、子どもの体力低下の改善、体育施設の整備充実などに取り組む。

 委員からは「体育施設は市民が利用しやすいものを。『選択と集中』でなくする決断が重要」「公園を芝生にしたら、子どもや高齢者の利用が増え、芝の手入れも住民が行うようになった。異年齢の交流や地域コミュニティーの維持にもつながる」「生涯にわたり続ける意欲を養う場として、学校教育が重要」「スポ少は心と体の健全育成が目的。勝利至上主義を是正すべき」などの意見が出た。

 丸山市長は「小中一貫教育は教育振興基本計画にロードマップを載せ、研究だけでなく(実効性ある取り組みを)やるという市教委の意思を明確に示してほしい」、村上教育長は「小中一貫教育は教師や保護者、地域住民に丁寧な説明が必要。今後10年間のロードマップを示したい。スポーツはコミュニティーづくりとの関わりなどを踏まえ、小さくても身近な拠点づくりが重要になる」などと語った。

小中一貫教育などについて意見を交わした酒田市総合教育会議
小中一貫教育などについて意見を交わした酒田市総合教育会議



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