2020年(令和2年) 5月21日(木)付紙面より
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酒田市の上・下両日枝神社で20日、例大祭(酒田山王祭)が行われた。例年は全市を挙げた祭典「酒田まつり」として実施されているが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止を図る観点から大幅に規模を縮小。拝殿での神事に続きマスク着用の有志が引っ張るみこしが街中を巡った。
酒田まつりの前身・山王祭は、江戸時代初期の1609年に始まった上・下山王社(日枝神社)の例大祭。1976年に発生した酒田大火からの復興記念式と復興宣言が79年の「山王まつり」に合わせ行われることとなり、この年から氏子の祭りから全市民の祭りにしようと「酒田まつり」と呼ばれることになった。410年にわたって一度も休むことなく続けられている。
大勢の人が集まり、クラスター(感染者集団)発生のリスクが高くなるため、酒田まつり実行委員会(実行委員長・弦巻伸酒田商工会議所会頭)は先月までに呼び物の山車行列、露店・興行、式台の儀、宵祭り、酒田青年会議所による立て山鉾の設置を行わないことを決めていた。
下日枝神社(日吉町一丁目、岡部信彦宮司)ではこの日午前10時から拝殿で神事。終了後の同11時半ごろからは有志16人が2台のみこしを引っ張り、例年の3分の1ほどのコースを巡幸した。有志の一人は「みこし渡御は神様から街中を見てもらうことが目的。『3密』を避けるため、最少人数での渡御となった」と話した。