2020年(令和2年) 5月27日(水)付紙面より
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鶴岡市の天神祭の25日、市内の蔵元関係者が同市大山二丁目の渡會本店で同祭にちなみ、オンライン飲み会を兼ねたトークイベントを行い、県内外の消費者たちとパソコンの画面越しに地酒を酌み交わしながら、地酒の魅力や料理との相性などを語り合った。
このイベントは、市がふるさと納税の特典として企画した。天神祭が新型コロナウイルスの影響で神事以外が中止となったため、蔵元を応援しようと、寄付額3万円の返礼品として市内6蔵元の天神祭限定ラベル特別純米酒セット(720ミリリットル詰め6本入り)を造成。今月4日から22日までに寄付をした全国の8人を、この日のトークイベントに招待した。
この日は8人のうち県内、関東、九州地方の20―40代の会社員や公務員の女性3人がオンラインで参加。渡會本店の蔵内に集まった同社の渡會俊仁社長(56)、竹の露(羽黒町猪俣新田)の相沢政男社長(58)、加藤嘉八郎酒造(大山三丁目)の加藤嘉隆取締役業務統括(44)の3人と午後7時から約40分間、市観光物産課の本間真弓観光物産専門員の司会でウェブ会議システムZoom(ズーム)を使い、語り合った。
消費者からは「酒造りのこだわりは?」「地域性と酒の味の関係は?」「自身の酒との付き合い方は?」などの質問が出た。これらに対し、蔵元たちは「和醸良酒という言葉があり、米を作る人や蔵人などを含め、人の和がおいしい酒を造ると信じている」(渡會さん)、「蔵元は各地の食材に合う酒を造ってきた。ここでは日本海の荒波で育った白身魚に合うキリッとした酒が多い」(加藤さん)、「出てくるおかずに合わせ、最初は空揚げや焼き肉などに合うビールから始まり、刺し身や湯豆腐が出てくると酒に切り替える。比率としてはやはり日本酒が多い」(相沢さん)など和気あいあいとした雰囲気で答えた。
消費者たちは最後に「日本酒を飲み始めて5年ほど。楽しさが分かり、はまった。これからも楽しみたい」などと感想を話した。
本間専門員は「ふるさと納税の特典では今回のような体験型の需要が高まっている。コロナ禍を機に、オンラインの地酒講習会や酒蔵見学などの要望も出ており、今後もさまざまな企画を考えたい」と話した。
ふるさと納税の天神祭限定ラベル特別純米酒セットは8月中旬まで申し込みを受け付けている。