2020年(令和2年) 11月19日(木)付紙面より
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東京2020オリンピック・パラリンピックでドイツとモルドバ共和国のホストタウンになっている鶴岡市は17日、障害の有無にかかわらず共に生活しやすい社会の実現に向けたまちづくりを地元の学生に学んでもらおうと、障害者目線で市街地を巡って調査し、バリアフリーマップを作成する研修会を開いた。
内閣官房のモデル事業「オリパラ基本方針推進調査」に採択された同市が、IT企業などと連携して開催。この日は福祉分野を学ぶ鶴岡中央高校総合学科社会福祉系列の3年生29人が参加。特に車いすユーザーにとって走行可能な道路であるのかを焦点にし、鶴岡身体障害者福祉団体連合会のメンバーなども加わって複数のグループに分かれ、実際に車いすに乗って街歩きした。
このうち、銀座通りから荘銀タクトまでの間を調査したグループには、同市を拠点に活動している車いすユーチューバーの渋谷真子さん(29)が加わり、生徒と共に調査開始。写真撮影する人、記録を取る人と役割分担しながら段差の他にも歩道の幅員が2メートル以上確保されているか、青信号時間が車いすや白杖を使う人にとって十分な長さになっているかなど、街中に隠れている「障害」を細かくチェックしていった。巡った施設内では足で踏むことで噴射されるスタンド式の消毒液、飲み水が出てくるウォータークーラーなどを確認。渋谷さんは生徒に「足が不自由な人はどうすればいいのか。まだまだ健常者目線で作られたものも多い」と問いかけていた。
3年の菅原杏沙(りさ)さん(18)は「車いすは目線が低く、車を運転している人の顔が見えないことに気が付いた。ドライバーにとってもこちら側のことが見えているのか分からなかったので、ドライバーに対して車いす歩行者に注意を呼び掛ける何かがあればいいと思った」と話していた。