2020年(令和2年) 6月10日(水)付紙面より
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間もなく酒田市の酒田港から中型イカ釣り船が出航するのを前に、操業に関する意見交換会が8日、酒田市船場町二丁目の県漁業協同組合本所で行われ、出席者からは外国船舶による違法操業を不安視する声が相次いだ。
酒田港からは毎年6月から翌年2月にかけ、150トン前後の中型船が十数隻の船団を組み、日本海を北上するスルメイカを追って島根県沖からオホーツク海まで操業している。船内で急速冷凍した「船凍イカ」は、県外船を含め年間2000トン前後が酒田港に水揚げされ、同港の水揚げ量全体の約6割、金額でも約5割を占めている。
県漁協指導課によると、昨年の県内のスルメイカ水揚げは約800トンと、例年の半分以下。日本海の排他的経済水域(EEZ)にある好漁場「大和堆」周辺で北朝鮮など外国船舶による違法操業が相次いだ影響があるという。
県は今年2月、外国船籍による違法操業などの影響で不漁となり、漁業経営資金の確保が困難になった県内の漁業者に対して漁業経営安定緊急対策資金(無利子)の支援を発動したほか、北朝鮮のミサイル発射など日本近海での漁業に危険が伴う状況から、無線機器の必要な船舶について整備に対する支援も行っている。
意見交換会は、漁に関する申し合わせ事項を確認し合う出航前会議の中で行われ、イカ釣り漁業者、水産庁・県漁協の職員ら15人が出席。漁業者からは「安全操業と『イカを捕らなければいけない』という思いのはざまでジレンマに陥っている」「何よりまず安全にイカを捕らせてほしい」など、安全操業を懸念する意見が相次いだ。
毎年この時期に開催してきた酒田市主催「いか釣り船団出航式」は 新型コロナウイルス感染症の影響で中止になった。県漁協指導課によると、酒田港からは今月中旬以降、順次出航するという。
2020年(令和2年) 6月10日(水)付紙面より
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庄内町のボランティア団体「ボランティアすまいる」(加藤信子代表)は6日夕、余目第三公民館駐車場で、町内の子どもを対象にした子ども食堂「にこにこ食堂」をドライブスルー方式で行った。
通常なら公民館の中で一緒に食事をする「にこにこ食堂」だが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の見地から初の試み。同団体のメンバーが利用者の車を公民館駐車場に誘導し、出口付近で、手作り弁当やメッセージ付きのおやつ10世帯31人分を手渡した。おやつには「…みんながんばりましたね…7月はきっと一緒に遊んだり、会食したりできると思うので、それまでコロナに負けず『マスク』『手洗い』を忘れずしっかり守り、元気に会いましょう!…」のメッセージが添えられた。
同団体の心のこもった弁当などを受け取り、家族5人で訪れた女性(29)は「すごく助かる。自分が仕事をしているので、早い時間帯に家族みんなで食事をできるのはとてもうれしい」と喜んでいた。
同団体は昨年6月に民生児童委員を中心に結成され、現在は16人で運営。山形県こどもの居場所づくり支援事業やきらやか銀行の助成を受けており、毎月第1土曜日、子どもたちと一緒に食事をするとともに、地域住民や子ども同士の交流、遊び体験を通して、地元を知る機会を提供している。
次回7月4日(土)は通常のように同公民館内で開催予定。時間は午後5時から同7時まで。町内在住の子どもであれば誰でも参加できる。会費は子ども無料、大人200円。申し込み、問い合わせは1週間前までに加藤代表=電0234(42)2521=へ。