2020年(令和2年) 6月3日(水)付紙面より
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新型コロナウイルス感染症の早期収束を願って1日午後8時、全国一斉に花火が打ち上げられた。日本煙火協会の若手花火師が企画したもので、「3密」を避けるため打ち上げ場所を事前公表せずに実施。庄内地域では遊佐町白井新田の藤井集落で打ち上げられ、夜空に大輪が広がった。
感染症のため、酒田市の「酒田花火ショー」、鶴岡市の「赤川花火大会」、遊佐町民花火大会はじめ、全国各地で今夏に行われる予定だった花火大会の多くは中止が決定。そのような中、若手花火師で組織する同協会青年部有志は今回、悪疫退散、見る人から笑顔になってもらいたいという願いを込め「CHEER UP!花火プロジェクト」と銘打ち、全国一斉に花火を打ち上げた。
藤井集落の花火は酒田市の安藤煙火店(安藤周一社長)が担当、午後8時から3、4号玉計約30発を打ち上げた。時間にして3分ほどだったが、藤井公民館前広場に集まった近隣住民は夜空を見上げ、ごう音とともに色とりどりの大輪が広がるたびに歓声を上げ、拍手を送っていた。
那須玲哉君(6)=遊佐小1年=は「見ることができてうれしい。早く感染症が終わってほしい」と。兄の朝光君(11)=同6年=も「きれいだった。いつまでも見ていたかった」と話した。安藤煙火店の安藤孝二さん(34)は「庄内平野から一望できる箇所ということで藤井集落を選んだ。本当は打ち上げ場所を公表したかったが…。まずは無事に終わって何より。早期のコロナ退散を願う」と語った。
2020年(令和2年) 6月3日(水)付紙面より
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県は2日、新型コロナウイルス感染症の第2波を想定しながら、3密(密閉・密集・密接)を避けるなど「新しい生活様式」の定着を幅広く県民に訴えるため「県『新・生活様式』宣言」を行った。感染予防と県内経済回復の両立を図りながら、安心して生活できる環境づくりに取り組むという。
吉村美栄子知事が同日の定例記者会見で宣言を発表した。吉村知事は「今後は新型コロナの第2波を想定しながら、感染防止と経済回復を両立することが大事で、そのためには『新しい生活様式』が基本となる。県民と市町村、事業者と一体となって定着させたい」と述べ、新・生活様式については「3密を避け、人と人の物理的・身体的な距離を確保する。小まめな手洗いとマスク着用など。こうした様式の定着のためさまざまな機会を捉え啓発していく」と語った。
さらに「事業者には業種ごとに設定した感染拡大予防ガイドラインを遵守してもらいたい。そのための整備も必要で、例えば客と客の間についたてを設置したいという飲食店の支援もいる。県民誰もが安心して経済活動ができるよう環境づくりに取り組んでいきたい。他にも県民による観光需要の拡大や小中高校におけるオンライン授業、酒田市の飛島や中山間地などにおけるオンライン診療、テレワークやウェブ会議もできる限り進めていく。今回のコロナ禍を契機に新しい取り組みで新しい山形をつくっていきたい」と話した。