2020年(令和2年) 8月15日(土)付紙面より
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鶴岡市羽黒町手向の月山高原でヒマワリ畑が見頃を迎え、家族連れなどが散策や記念撮影を楽しんでいる。
地元農家でつくる「ハグロファーム」が2010年から、耕作放棄地を活用した農業振興と地域活性化を狙いに「100万本のひまわり畑」と銘打って始めた。今年は月山高原活性化センター周辺の3カ所、合わせて約2ヘクタールに6月初旬、種から食用油を取れる品種「サンフラワー」の種をまき、無農薬で栽培。今月初めごろから開花し始めた。
好天となった13日は、お盆休みの家族連れなどが次々に訪れた。なだらかな丘陵地からは庄内平野を一望でき、緑の水田や屋敷林に囲まれた家々が見える。畑の中の道を散策しながら、「きれい」と見入っていた。
ハグロファームの齋藤力代表(62)=同市羽黒町川代=は「結婚式の前撮りで来る人もいる。この季節の風物詩として定着しつつあり、うれしい」と話した。
同社では地域内の福祉施設などの協力で、種から搾るヒマワリ油や、葉から作るヒマワリ紙によるブローチなど小物を開発、現地で販売している。小物の収益金は福祉施設へのチャリティーとする。現地ではまた、ヒマワリ栽培の経費捻出のため募金もお願いしている。ヒマワリ畑は現在、「五分咲き」ほどで、今月20日ごろまでは楽しめるという。
2020年(令和2年) 8月15日(土)付紙面より
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鶴岡市大山二丁目の大山小敷地内にある同校同窓会館「新民館」が14、15の2日間、内部を公開している。1903(明治36)年に大山尋常高等小学校として建てられた校舎の一部で、内部には古墳時代の石棺や、初代県令・三島通庸の自筆の短冊などを展示し、地域の歴史を伝えている。
新民館は1972年と2008年の2回にわたり移築され、現在に至っている。名称は、1876―87年に同校が「新民学校」と呼ばれたことに由来。現在は大山小同窓会(佐藤憲二会長)が所有し、同校に管理を委託。毎年2月の大山新酒酒蔵まつり、5月の大型連休、8月のお盆の3回、内部を公開している。
石棺は1968年、菱津の火打崎古墳から出土したもので、長さは約1・8メートル。柵木は1929年に都沢から出土したもので、16世紀の大浦(尾浦)城関連の遺物とみられている。三島の短冊は新民学校建設時、「よむふみに こころもとけておのずから 民ひらけゆく時は来にけり」と詠んだもの。そのほか、スポーツで活躍した羽根田梅太郎(水泳)、阿部成章(バスケット)らの賞状や衣類、戦中の教科書などを展示している。
佐藤会長は「私もこの校舎で学び、懐かしい。大山公園や酒と並び大山を象徴するもので、しっかり後世に伝えたい」と話した。15日は午前10時―午後3時。