2021年(令和3年) 1月9日(土)付紙面より
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発達した低気圧に伴う暴風雪などの影響で、庄内地方では7日、酒田市、鶴岡市、遊佐町、庄内町の一部で合わせて最大約6500戸(街路灯など含む)の停電が発生した。山形地方気象台によると、鶴岡市鼠ケ関では最大瞬間風速33・9メートルを記録し、観測史上1位を更新。強風などによる建物被害も相次いだ。
同気象台が8日午前に発表した気象情報によると、発達中の低気圧が北日本を北東に進んでいる影響で強い冬型の気圧配置となるため、県内では引き続き大雪による交通障害、建物、農業施設への被害に注意や警戒が必要。11日ごろにかけて気温の低い状況が続く見込みで、9日にかけて予想される24時間降雪量はいずれも多いところで山沿い60センチ、平地40センチ。交通機関への影響では、強風や大雪が見込まれるとして8日、JR羽越本線特急いなほは午前中の上下線5本の列車を運休し、全日空の庄内―羽田線は全便欠航した。
最大瞬間風速として酒田市飛島で42・2メートル、同市浜中で33・4メートルを記録し、統計開始以降1月としてはいずれも史上1位となった。鶴岡市では8日午前までに住宅や空き家などのトタン屋根や外壁が飛び、窓ガラスが割れるなどの建物被害が26件発生した。
このうち7日午後3時ごろ、同市大岩川で温海町森林組合製材工場の屋根の一部が飛ばされ、近くに駐車していた車が損傷した。いずれも人的被害はなかったという。
暴風雪の影響で7日午後、酒田市本町二丁目の市庁舎前に展示されている酒田のシンボル・大獅子が台座からずり落ちた。
1976年に発生した酒田大火からの復興を記念し79年、「大獅子」(縦、横、高さ各約2メートル)を雌雄2対、98、99年に「仔獅子」(同約1・3メートル)も雌雄2対それぞれ市が製作。2015年には赤ちゃん獅子8体が加わり、「ファミリー」を形成している。いずれもFRP(繊維強化プラスチック)製。
市内に点在する獅子を管理している市交流観光課によると、ずり落ちたのはいずれも79年に製作された黒獅子「松」、赤獅子「桜」の2体で、同3時ごろに確認したという。台座と大獅子相互の骨組みを強力なベルトで束ねており、その骨組みに沿って前方にずれ、あごの部分が地面に落ちたという。