2021年(令和3年) 1月22日(金)付紙面より
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鶴岡工業高等専門学校(高橋幸司校長)の専攻科は20日、同校で内陸2社を含む地元企業5社を招いて研究発表会を行った。高専“6年生”に当たる専攻科1年生24人が各自研究を披露した。
電気電子・情報コースの皆川大地さん(21)=酒田東部中出身=は「トマトの収穫時期および収穫量の予測に関する研究」と題して発表。トマトの熟度(色づき)を定点カメラで撮影、5段階に分けデータを集約させ「どの時点で収穫すれば、おいしい作物として出荷できるか」を研究した。これまで農家が目視で判断していたものをAI(人工知能)でどこまで可能かを追求した。
昨夏の2カ月間、JA全農山形研修農場(三川町)のハウスに高精度カメラを持ち込み、時間ごとに狭い通路を台車で押しながら撮影、データを集めた。将来的にはAI機能があるロボット車で、定点観測して省力化につなげたいという。「祖父が農家で、農作業の効率化を考えた。自分は車関係に興味があるし、ちょうど良いテーマだった」と皆川さん。ロボット車は後輩たちが実現に向け開発していくという。
指導した韓国人研究者の金帝演准教授(48)は「学生のアイデアが地元農家に役立つ研究になる。素晴らしいことです」と目を細めた。同准教授の教え子では、庄内観光を公共交通機関を使っても待ち時間がなく無駄なく回れるかをアルゴリズムを用いて研究した齋藤大輝さん(21)の発表も注目を集めていた。
なお参加した企業は東北エプソン(酒田市)、オリエンタルモーター、テクマン工業(鶴岡市)、オプテックス工業(尾花沢市)、デンソーFA山形(天童市)。