荘内日報ニュース

2021年（令和3年） 2月17日（水）付紙面より

一般会計557億3000万円に 酒田市21年度当初予算案　過去最大の20年度に次ぐ規模

　酒田市は15日、2021年度当初予算案を発表した。一般会計は20年度当初比で3・1％（17億7000万円）減の557億3000万円。駅周辺整備事業は山場を超えたものの、新年度も酒田地区広域行政組合の新消防本部・本署庁舎の整備、旧酒田商業高跡地の活用といった大型事業があり、過去最大だった20年度に次ぐ規模。

　一般会計の主な歳入を見ると、市税は本年度当初比4・8％減の128億600万円。個人市民税は3・8％減の42億3600万円、固定資産税は2・9％減の58億3600万円、法人市民税は26・1％減の8億4700万円を見込む。地方交付税は2・2％減の135億4000万円。うち大半を占める普通交付税は2・4％減の122億9000万円。国庫支出金は14・6％減の68億7600万円、県支出金は8・2％減の38億2600万円。借金に当たる市債は7・4％減の55億9600万円。基金取り崩しなどの繰入金は11・5％増の28億3600万円。

　歳出を性質別に見ると、義務的経費が2・1％増の249億3800万円。内訳は、人件費が0・9％減の77億4500万円、保育所入所など扶助費が3・5％増の95億5400万円、借金返済に充てる公債費は3・4％増の76億3900万円とした。一方、政策的な事業に使う投資的経費は38・1％減の51億2400万円。駅周辺整備事業・公共施設部分の床取得、浜田・若竹統合保育園（みなと保育園）整備といった大型事業が終了したため大幅に減った。

　20年度末の市債残高見込みは、本年度末見込みより2・9％（17億3600万円）減の591億4500万円。合併特例債は、21年度の借入見込みが3億5800万円、同年度末発行可能見込額は9億6900万円となる。貯金に相当する各種基金のうち、メーンの財政調整基金の21年度末残高は本年度末より27・9％（約8億円）減の20億6600万円となる。

　予算編成にあたって丸山至市長は▽新型コロナを踏まえ、「新たな日常」への転換を見据えた経済・社会の再生▽「日本一女性が働きやすいまち」の実現▽市民に優しいデジタル変革の推進―の3つを重点施策に掲げたとし、「一番は新型コロナ対策。経済対策も含め克服することに注力して編成した」と述べた。

　主な事業は次の通り（新＝新規）。

　▽酒田商業高校跡地整備事業6億313万円（校舎の解体。跡地利用の事業者公募）＝新▽飛島地区ポケットパーク整備事業4856万円（飛島地区で住宅火災が発生した際の延焼防止に向け、空き家を除却し跡地に公園を整備）＝新▽新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業3698万円＝新▽新型コロナウイルス感染症関連経済対策事業2億2113万円（コロナ禍で経済的影響を受けた中小事業者が金融機関からの融資に対し、利子・信用保証料補給を行う）＝新▽市民協働・公益活動推進事業1248万円（多様化する地域課題の解決に向けて公益活動団体と市が協働し、市民主体の活動を支援）＝新▽女性活躍推進事業718万円（女性活躍推進法による行動計画を作成した事業に対し奨励金を交付）▽国体記念体育館改修事業7209万円（長寿命化を図る大規模改修を行うための設計）