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2021年(令和3年) 6月19日(土)付紙面より

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山伏の手法「感じる知性」「直感」鍛える意義 羽黒山伏の星野さん新著『野性の力を取り戻せ』

 羽黒山伏の星野文紘さん(74)=鶴岡市羽黒町手向、宿坊大聖坊13代目=が、3冊目となる著書「野性の力を取り戻せ」を出版した。思考や論理にとらわれ行き詰まっている企業経営者らビジネスパーソンたちに、山伏の手法で現状を打開、新たな創造力とパワーを得るヒントを、対話形式で分かりやすく伝えている。

 星野さんは市役所を定年退職後、山伏行に専念し、全国で山伏の現代的な意義を説いてきた。宿坊独自の山伏修行には近年、国内外の企業経営者や起業家などビジネスパーソンが集まるようになってきたという。

 新著は、キャリアコンサルタントで羽黒山伏の渡辺清乃さん(名古屋市在住)との共著。渡辺さんは企業研修などに取り組む中で、思考や論理にとらわれ自己変革できず苦しむ多くの人を見てきた。2017年から星野さんの下で修行し、多くの気付きを得た縁で、「『感じる知性と経営』をテーマに、ビジネスパーソン向けの本を出そう」と意気投合したという。

 著書の中で星野さんは修験道について、「大自然の中に身を置き、感じたことを考える学問、哲学」と説明。守り伝える古い儀式ではなく、生きた哲学として各時代や社会に合った形で創造的に実践していくものという考え方を示す。

 知性については、「考える知性(知識)」「感じる知性(直感や感覚)」の2種あり、「考えることばかりで感じることを封印したら、いつまでも『閉じたまま』」。そして、「組織のトップや社長は、社員から上がってきたデータや論理的な裏付けに依存しては決断していない。いざ決断という時、結局は感じる知性、直感が強い人がうまくいく」と、直感を鍛える意義を強調する。

 対談ではさらに、自己変革を図る上でネックとなる既存のアイデンティティーへの執着、そこからの脱却に向け、既存の自分を壊し新たな自分を構築する実践としての「擬死再生」の山伏修行、自意識を捨て本来の自分になる時こそ潜在的なパワーが発揮されることなどが語られていく。

 星野さんは本紙の取材に対し、「過去の2冊は山伏の思想が中心だったが、今回はより実践的なもの」と説明。そして、「思考や論理にとらわれると動けなくなる。今は個人、企業、社会の各層で『感じる知性』が必要とされている。一人でも多くが気付きを得て、日常をより豊かなものにしていけたら」と話した。四六判、224ページ、1650円(税込み)。日本能率協会マネジメントセンター刊。全国の書店に置いている。


《出版記念トークショー 7月19日、丙申堂》

 出版を記念し7月19日(月)午後7時から鶴岡市馬場町の旧風間家住宅丙申堂で、星野さんと渡辺さんのトークショーが開かれる。入場無料。先着50人に整理券を発行する。問い合わせは阿部久書店=電0235(22)0220=へ。

新著を手にする星野さん
新著を手にする星野さん



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