2021年(令和3年) 11月16日(火)付紙面より
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出羽三山神社の「松の勧進」が15日、鶴岡市羽黒町の手向地区で始まった。山伏のほら貝の音が里山に響き冬の訪れを告げた。
松の勧進は、大みそかから元旦にかけて羽黒山頂で行われる同神社の「松例祭」(国指定重要無形民俗文化財)の浄財を集める伝統行事。祭の主役を務める松聖(まつひじり)2人が小聖(こひじり)と山伏を従えて家々を回り、無病息災や家内安全のお札を手渡す。
今年の松聖の位上(いじょう)は吉住光正さん(62)、先途(せんど)は本間正さん(60)。2人は9月24日の冬の峰入り「幣立祭(へいたてさい)」から100日修行(大みそかまで)に入り、羽黒山中の斎館にこもって修行を積んでいる。
冷たい雨が降る天候となったこの日は午前8時すぎに同神社社務所を出発。随神門近くにある「天地金(てんちこん)神社」を参拝した後、4つのグループに分かれて羽黒地域を回った。社務所前にはアマチュアカメラマンが訪れ、冬の風物詩として知られる「松の勧進」をカメラに収めていた。松の勧進は羽黒地域を回った後、12月1日から旧鶴岡市内に入る。