2021年(令和3年) 11月19日(金)付紙面より
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新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた鶴岡市経済対策会議の本年度第2回会合が17日、市役所で開かれ、市内の経済団体の関係者らが地元の経済情勢や支援の在り方などについて情報、意見を交わした。
市が関係者と情報を共有し施策に生かそうと、昨年8月、今年2月、6月に続いて開催。鶴岡商工会議所の加藤捷男会頭、出羽商工会の上野隆一会長、皆川治市長をはじめ、市金融協会、鶴岡公共職業安定所、オブザーバーの県庄内総合支庁の関係者ら、事務局を含め約20人が参加した。
市の報告によると、10月に鶴岡商工会議所、出羽商工会と連携して実施したアンケート調査(対象期間6―9月、対象2866事業所、回答746事業所、回答率26・4%)では、コロナのマイナスの影響について46%が「売上・受注の減少、注文のキャンセル」を挙げ、対策としては「出張・営業活動の自粛」「支援施策の活用」「コストの見直し」「営業日・時間の短縮」などに取り組んでいた。
また、コロナ以前(2019年)の同月を100とした場合の売上を尋ねたところ、今年9月は「50%未満」が全体の18・1%、「50―80%未満」が29・9%、「80%以上」が52・0%と、5月の20・0%、26・8%、53・2%などと比べ、大きく落ち込んでいる事業所がやや減少し、回復の兆しを見せていた。ただ、業種別で宿泊、飲食業は依然として落ち込みが大きかった。
経済情勢に関する情報交換では「製造や建設で人手不足が深刻化している」「原材料の木材や金属、半導体が不足し、生産調整している」「自動車関連は持ち直しの動きがある」「鶴岡の9月の有効求人倍率は1・78倍(県平均1・41倍)と高い水準で、人手不足が続いている」といった話題が出た。
意見交換では「コロナ融資の返済が始まるが、まだ体力は戻っておらず、返済猶予などの措置が必要」「住宅の新築工事の約85%はハウスメーカー。地元の工務店を使うよう支援強化を」「ふるさと納税の返礼品選定では、地元の資源をうまく活用できるよう商工団体の関係者を加えて」「ペイペイは飲食などの景気刺激に効果的だった。別の形でもいいので同様の対策を」などの意見が出た。
また、ソニーグループが台湾企業と共同で熊本県に半導体製造工場を新設する計画を打ち出した影響を問われたのに対し、市側は「具体的な情報はまだ届いていない。最先端のものでなく、海外の半導体の調達不足を解消する意味合いもあるとの認識で、鶴岡(ソニーセミコンダクタマニファクチャリング山形テクノロジーセンター)の本業に関わる状況にはまだないと考えている。状況が分かり次第、対応を考えたい」とした。