2021年(令和3年) 3月18日(木)付紙面より
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庄内三大祭りの一つ、鶴岡市の天神祭(5月25日)が今年、規模を縮小した上で開催することになった。例年2つのコースで繰り広げられている市民参加のパレードを、市中央児童館―鶴岡公園(約1・5キロ)1コースのみの実施とし、参加者を小学生の踊りフェスティバル中心にして大幅に減らし、沿道に事前申込制の観覧席を設けるなど新型コロナウイルス感染防止対策を講じて行う。昨年は感染拡大の影響で鶴岡天満宮での神事だけが行われ、実施されれば、パレードは2年ぶりの開催となる。
天神祭実行委員会(実行委員長・加藤捷男鶴岡商工会議所会頭)臨時総会が17日、市役所で開かれ、感染防止対策を徹底した上での規模縮小実施の方向性を承認した。感染拡大の状況によっては直前の中止もあり得る。
現段階の実施案では、5月25日(火)の本祭のパレードは、朝暘一―六小の踊りフェスティバル、鶴岡東高マーチングバンド、鶴岡天満宮神輿(みこし)、菅原道真公行列、手踊り行列、親子化けもので構成。参加者数は例年の4分の1の約770人規模とする。沿道の観覧席は2000席程度用意し、一般には立ち止まらずに見物するよう呼び掛け、インターネットでのパレード映像配信を予定する。化けもの衣装貸し出しは半数の400人分に制限し、化けものによる祭り客への酒の振る舞いは中止するものの、祭りを盛り上げる代替案を今後検討する。
臨時総会では、従来パレードコースとなっていた駅前―日吉―山王―銀座通りの各商店街への祭り客の呼び込み対策に関し委員から提案があり、事務局の市側がにぎわい創出策を検討する。加藤実行委員長は「感染防止対策を徹底し、市民に少しでも明るい希望を与えられるような天神祭にしていきたい」とあいさつした。天神祭の具体的な実施案は、4月8日開催予定の定例総会に諮られる。
2021年(令和3年) 3月18日(木)付紙面より
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鶴岡市内の小学校で児童1人がいじめを受けて不登校となった問題で、市教育委員会は16日、第三者委員会がまとめた調査報告書を公表した。報告は、継続的ないじめがあったことを認定し、学校と市教委に対応の見直しを求めた。布川敦市教育長は「結果的に被害児童と保護者に長期にわたり苦痛を与えた」と謝罪した。
報告書によると、児童は2018年の2学期ごろから19年5月ごろにかけ、同級生から人格を否定されるようないじめを受けていたと認定。クラスの3分の1以上、少なくとも9人が加担していたとし、19年5月に不登校となる直前には、持ち物の箱ティッシュが壊され、強い精神的苦痛を受けたと指摘した。
学校側が、継続的かつ執拗(しつよう)ないじめに気付くまでに時間を要したことにも触れ、学校の対応について「重大事態に至った原因として受け止め、防止策を検討すべき」と指摘。また、校長が市教委に電話で報告した際、「重大事態」との認識が伝わっておらず、校長と市教委との間の認識にずれがあったことも対応への課題として挙げた。
児童は昨年3月に保護者の転勤で転校。復帰を望んでいたが、かなわなかった。調査報告について、保護者は所見を提出し、再発防止策の徹底と周知などを求め、「現在もいじめを受け苦しい思いをしている児童生徒・保護者がいると思う。これを機により良い方向に向かうことを望む」とした。
市教委は、今月中に再発防止策をまとめ、公表する方針。