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2022年(令和4年) 3月18日(金)付紙面より

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全国金賞に輝く 高校A部門 日本バッハピアノコンクール オンライン大会 富樫さん(鶴岡南2年)喜び “最後”のコンクール「いい思い出に」

 「第12回日本バッハピアノコンクールオンライン大会」で鶴岡南高校2年の富樫永理奈さんが全国大会金賞を受賞した。来年度は進学に向け勉強に専念するため、コンクールには出場しないと決めており、「最後に金賞を頂けてうれしい」と喜びを語った。

 4歳でピアノを習い始めた富樫さん。小さい頃から歌や踊りが大好きで、耳から覚えた音楽をおもちゃのピアノを弾きながら歌っているような子どもで、学校から帰ると誰から言われるでもなくピアノを練習していたという。指導者で、鶴岡市若葉町でピアノ教室を開く石黒桃子さんも「前の週に注意したことは直してきて、さらに上を行く演奏をする。毎回、そのキャッチボールが楽しい」と話す。

 同コンクールは先月5―13日に東京の5カ所で開かれた全国大会と、27日にオンライン(昨年度から実施)で行われた大会があり、それぞれ17の部門に合わせて約7000人が参加。富樫さんはオンライン大会「高校A」部門の金賞3人のうちの1人に選ばれた。

 新型コロナウイルスの影響で、全国の切符を手にしながら出場を辞退した大会もあり、オンラインでの審査が受けられるこの大会に向け、練習してきた。演奏したのはバッハの「シンフォニア」第6番。穏やかで軽やかさのある曲で、弾き慣れた荘銀タクト鶴岡のピアノを使い、動画を20回以上も撮ったという。石黒さんは「永理奈さんは情感たっぷりに体を揺らしながら弾くタイプ。テンポや弾き方に決まり事が多いバッハの曲は難しかったかもしれないが、バッハという作曲家を理解し、良く弾いていた」と頑張りをたたえた。

 コンクールが終わり、現在はほっと一息ついているところ。今後は、8月に行われる高校の音楽部の定期演奏会の伴奏を依頼されており、その他に石黒さんがリサイタルで弾いたのを聴いて自分も弾きたかったというショパンの「英雄ポロネーズ」を演奏する。その後は自分が楽しむためだけにピアノを弾くという。

 一時は音楽大への進学も考えたが、中学生の時に鶴岡市の姉妹都市ニューブランズウィック市(アメリカ)に留学したことから国際関係の仕事に興味を持った。高校でも得意の英語を使うゼミに参加。海外留学できる東京の大学への進学を希望している。

 富樫さんは「桃子先生はいつも優しく指導してくださった。先生だから続けてこられた。今回もいろんな経験を積むことができ、いい思い出ができた」と感謝を伝えるとともに「これからもピアノは弾き続けていきたい」と話していた。



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