2022年(令和4年) 5月6日(金)付紙面より
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鶴岡市羽黒町高寺の雷電神社(松平修宮司)の伝統芸能「高寺八講」(県指定無形民俗文化財)が4日、同神社の例祭に合わせて奉納上演され、地元住民が華やかな舞を堪能した。
高寺八講は豊作祈願の舞として、室町時代から受け継がれてきたとされている。「八講」は、5年ほど前まで8日に祭典が開かれていたことや、演目がかつて8番まであったことなどが由来とされている。現在は近隣地区の協力を得て、例祭で4番までを奉納上演している。今年も新型コロナウイルスの影響で昨年に続き、舞い手や地元住民たちによるくねり行列は中止したが、上演は3年ぶり。
拝殿で祈祷が行われた後、境内の八講楽殿で狩衣姿の2人が白扇を持って跳ねる「大小舞」、地元児童4人による「稚児舞」、赤い鉢巻きを巻いた2人がなぎなたを持って力強く足踏みする「薙刀舞」を披露した。
メインの「花笠舞」では、カラフルな四角い花笠をかぶった6人がささらや日の丸扇子を持って舞を披露。静まり返った拝殿に「しゃり、しゃり」というささらの音が響き渡る様子に、地元住民約50人が見入っていた。
高寺八講保存会の菅原久勝会長(69)は「多くの住民の前で3年ぶりに披露できて良かった。行列も早く戻したい」と話した。