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2022年(令和4年) 7月6日(水)付紙面より

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鶴岡市浄化センターアユ養殖実験

 鶴岡市宝田三丁目の市浄化センターは、栄養豊富な処理水を使って栽培した藻類をアユに食べさせる養殖実験を続けている。今年はセンター内にある実験池に昨年より500匹多い2500匹の稚魚を放流。冷風干しや甘露煮などに加工し来年の一般販売を目指す。

 アユの養殖実験は、県内水面漁協や民間業者の協力を得て「ビストロ下水道共同研究」の一つとして2019年に始まった。センター北側の一角に実験池を作り例年6月上旬に稚魚を放流。9月まで80グラムに成長させ、県漁協由良支所の加工場で甘露煮などにして冷凍パック保存している。

 処理水で育った藻類を与えているがアユの食欲は旺盛。出荷時期の9月中旬には体長18センチまでに成長し、漁協関係者や料理人からは「天然物と遜色がない」と高い評価を得ている。

 同センターの松浦正也主査は「処理水という言葉から汚い水でアユを養殖しているようなイメージを受けてしまうが、そんなことはない。実験池には井戸水を入れ、アユが泳いでいる姿が見える。ただ処理水で育てた藻類をエサとして与えているだけ。衛生リスク対策や検証を通じて安全性も確か」と話す。

 今後は一般販売に向けて加工したアユの商品名を決めるほか、民間業者によるアユの養殖事業を継続的に展開していきたい考えだ。アユ養殖の実験池のすぐ隣では昨年、処理水を使ってクレソンやクウシンサイ、バジル、シシトウ、カラーピーマンといった水耕栽培も行った。本年度は、より効率的に収穫できる手法を確かめる。こうした取り組みは日本下水道協会の下水道研究発表会で報告している。

 松浦主査は「処理水には植物の成長に欠かせない栄養分が豊富に含まれている。この『下水道資源』を有効活用しアユや野菜を育て、再び消費者に提供する循環型社会をつくることが大きな狙い。今後も山形大農学部やJA、漁協、民間会社と連携した産官学の取り組みを進めていきたい」と話している。

養殖池で泳ぐアユ。「天然物と変わらない」と評価を受けている=鶴岡市浄化センター提供
養殖池で泳ぐアユ。「天然物と変わらない」と評価を受けている=鶴岡市浄化センター提供

浄化センターの北側にあるアユの養殖池。来年の一般販売を目指す
浄化センターの北側にあるアユの養殖池。来年の一般販売を目指す



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