2023年(令和5年) 2月7日(火)付紙面より
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東北公益文科大学(神田直弥学長)の「一流体験合宿」が2?5日、3泊4日の日程で都内で行われた。参加した19人の学生たちは3日、上野の東京国立博物館で銭谷眞美名誉館長(73)=前館長、現新国立劇場運営財団理事長=から「一流に触れるとは」と題して講話を受けた。
秋田市出身の銭谷氏は新田嘉一同大理事長と交友があり、また青春時代に飛島を訪れた思い出などから語り始めた。さらに同博物館の沿革などを説明し、博物館全般の効用を語った。「一流の作品に触れると心が休まる。考えさせられることが多い」とし「小学校高学年から中学生までの年代と、認知症予防のため高齢者に来てほしい」と勧めた。加えて一流の人、物、場所に触れて「感性を磨いてほしい」と話した。学生たちはメモを取るなど熱心に聴き入った。落合菜央さん(20)=3年、南陽市出身=は「人生の始めと終わりの両方に博物館を見る価値があることがよく分かった。作品をかみしめたい」。渡部一尋さん(20)=2年、飯豊町出身=は「作品を見るとき、心構えが重要と思った。また人生では相手を思いやることが大事ですね」と講話を振り返っていた。一行はその後収蔵品を鑑賞した。
翌4日は有明四季劇場で「ライオンキング」を観賞。また羽田空港では庄内―東京便を運航する全日空の訓練場、整備場を見学した。そのほか日本経済新聞の谷隆徳編集委員の講話やテーブルマナーの体験ディナーも行われた。
このプログラムは「人材育成教育プログラム」の一環で公益大後援会(上野隆一会長)が2012年度から始めた。学生に日本を代表する一流の人物、仕事、芸術・文化などを体験する機会を与え、次代のリーダーにふさわしい教養を体得させようというもの。新型コロナ感染拡大があって3年ぶりの開催となった。上野会長も博物館の講話に参加した。