2023年(令和5年) 3月5日(日)付紙面より
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ATMでの特殊詐欺被害を抑えようと県警察本部と県内の金融機関は3日、70歳以上の高齢者を対象にATMで1日に引き出せる限度額を4月から引き下げると発表した。きらやか銀行と東北労働金庫県本部が先行実施しており、新たに9機関が30万円に制限する。
県警によると、2022年に県内で確認された特殊詐欺の被害件数は47件(前年同期比26件増)で、被害金額は1億1504万円(同4315万円増)。このうちATMでの現金引き出しを伴う被害は22件(同18件増)、被害金額は4415万円(同3987万円増)と増加している。被害額を最小限に抑えようと県警が金融機関に引き下げを求めた。
昨年2月には、各機関が足並みをそろえてATMでの振り込みを制限する対象年齢を70歳以上から65歳以上に引き下げたところ、還付金詐欺被害が前年の10件から3件に減るなどの効果が見られた。
山形市内のホテルで開かれた記者会見で県銀行協会の大石徹常務理事は「一斉に対策することで被害を抑えたい。利用者に不便をかけるが、ご協力をお願いしたい」と話した。
各金融機関の引き出し制限の開始日は次の通り。
▽4月17日=北都信用組合、山形中央信用組合、山形第一信用組合▽4月20日=山形信用金庫、米沢信用金庫、鶴岡信用金庫、新庄信用金庫▽7月予定=山形銀行、荘内銀行