2023年(令和5年) 3月5日(日)付紙面より
ツイート
本年度末で閉校する鶴岡准看護学院(学院長・福原晶子鶴岡地区医師会長)の“最後の卒業式”が3日、鶴岡市馬場町の同学院で行われた。18歳から40代の卒業生19人が学びやを巣立ち、創設して63年の歴史に幕を閉じた。
鶴岡准看護学院は1959(昭和34)年4月に創設した。定員は1クラス25人。初代学院長には柴田周吉鶴岡市西田川郡医師会長が就任した。入学者のすべてが中卒で、当時、女子の高校進学率は約39%だった。
学院生は2年間の課程で学科と実習を重ね、准看護師の受験資格が得られる。これまで1557人が卒業した。
式には卒業生と父母、学院関係者合わせて約40人が出席。福原学院長が一人一人に卒業証書を手渡し「皆さんはコロナ禍で学院行事が中止となったり実習が短縮されるなどの制約を受けてきたが、努力を重ねこの日を迎えられた。医療は日々、進歩している。常に学びの心を持ち続け医療現場で活躍することを心から願っている」と式辞した。
卒業生を代表して丸山縁(ゆかり)さん(42)=三川町横山=が「19人それぞれ自分一人の力ではたどり着けなかったと思う。現場実習では『ありがとう』『これからも頑張って』と声を掛けてくれた患者さんのことが忘れられない。閉校する寂しさはあるが、最後の卒業生としてナイチンゲールの精神を忘れず看護の道を歩みたい」と決意を述べた。県医師会の中目千之会長がリモートで卒業生にはなむけの言葉を贈った。
式を終えた佐藤梨音(りおん)さん(20)=鶴岡市砂田町=は「新潟の専門学校に進み、さらに看護の専門知識を学ぶ。将来、地域医療を支える一人として貢献できるよう努力を重ねたい」と話した。
最後の卒業生19人はこの春から庄内の各病院や医院に勤務するほか、県外の専門学校に進学する。