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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 3月11日(土)付紙面より

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東日本大震災から12年になった

 東日本大震災から11日で12年。干支(えと)が一回りする時を経たが、復興はまだ道半ば。まして東京電力福島第1原発事故で意に反して古里を追われた被災者の“心の復興”は、12年前で止まったままであろう。原発周辺自治体で帰還困難区域が徐々に解除されているが、復興庁の調べでは6割の人が帰還しないともいわれる。避難先で生活の根拠を築いたためだ。原発事故の罪深さである。

 警察庁のまとめによれば、確認された死者は1万5900人、行方不明者2523人、避難中の持病の悪化や自殺などによる震災関連死は3789人。今も沿岸各地で捜索活動が行われているが、不明者につながる情報の発見・入手は少なくなり、時の長さを感じさせている。

◇      ◇

 震災発生後、避難者を支えようと「絆」の言葉が語られた。その精神は「助け合いと支え合い」。絆の言葉は最近耳にする機会は少なくなったが、その精神は生きている。庄内町立余目中では2017年から、生徒が震災発生日と前日、犠牲者に慰霊を呼び掛けるメッセージを防災行政無線で放送している。同町と南三陸町は友好町。今年放送するメッセージは「震災を忘れず交流を続けて南三陸町とのつながりを大事にしていきたい」。思いを寄せ続けることが「絆」というものであろう。

 今年2月1日現在の庄内への避難者は▽福島県127人▽宮城県33人▽岩手県2人―の計162人。震災翌年の12年4月▽福島県625人▽宮城県139人―の計764人。当時に比べ避難者数は減ったが、福島県からの避難者が依然として多いのは、原発事故の被害を恐れているからにほかならない。

 原発が立地する双葉町では、約7000人が全町避難で一瞬のうちに生活を奪われ、受け入れ先を求めて全国各地に避難、役場機能も移転した。昨年8月に帰宅困難区域が解除されたが、戻った人は1%にも満たない。町は30年まで居住人口2000人を目指しているが現実はなかなか厳しいものがある。古里で再建を図るケースが多い、宮城県や岩手県の被災地とは対照的だ。

◇      ◇

 地震列島の日本では、太平洋側で想定される巨大地震で、日本海溝で19・9万人、千島海溝で10万人、南海トラフの巨大地震では最悪の死者は32万人を超えるとの想定だ。だが、対策を進めれば被害を減らせると指摘されている。

 庄内沖の日本海にも地震空白域があり、これとは別に遊佐町から鶴岡市藤島にかけての山沿いを走る「庄内平野東縁断層帯」での地震も想定されている。いつ襲ってくるか分からないのが地震。まず非常用の食料を用意しておくなど、自分でできる最小限の備えを心掛けたい。併せてハザードマップをしっかり覚えておくことも忘れてはならない。

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