2023年(令和5年) 3月23日(木)付紙面より
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NHK朝のテレビ小説「らんまん」(4月3日スタート)の主人公のモデルとなる植物学者・牧野富太郎を語る講演会が21日、鶴岡市の東北公益文科大学鶴岡キャンパス大学院ホールで行われた。「らんまん」の時代考証を担った東北公益文科大の門松秀樹准教授(48)が、東京都初の名誉都民を受けた牧野富太郎の生涯を語った。
牧野富太郎は1862(文久2)年、土佐(現高知県)に生まれた。東京大学の教授の元で植物学について研究。全国各地を巡り植物を採取した。39歳の時に「大日本植物志」第1集を刊行。その後、51歳で東京大の大学講師に任命された。1951年、第1回文化功労者に。53年、東京都の名誉都民となった。
講演で門松准教授は、96歳で亡くなるまで牧野の生きざまについて紹介。その中で「牧野富太郎は全国のどこにどんな植物があるのかを調べ、整理分類して発表した。残された標本から87歳まで植物を採取していたことが分かる。晩年まで活躍し、多くの人に愛された植物学者だった。牧野の生涯を知ることによって朝ドラの見方が違ってくるかもしれない」と話した。
会場には、市民らが訪れ時折メモを取るなどして門松准教授の講演に耳を傾けていた。同講演会は東北公益文科大学大学院、鶴岡市、慶應義塾大学先端生命科学研究所が連携して企画した。