2023年(令和5年) 3月30日(木)付紙面より
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山形銀行(本店・山形市)は28日、長谷川吉茂頭取(73)が代表権を持つ会長に就き、後任として佐藤英司専務(58)が頭取に昇格する人事を発表した。代表権は長谷川、佐藤の両氏と三浦新一郎専務(51)の3氏が持つ。6月23日の株主総会後の取締役会で正式に決定する。同行の頭取交代は18年ぶり。
山形市内で開かれた記者会見で長谷川氏は「地方銀行の経営環境は大きく変化し、柔軟な新しい発想が求められる。こうした変化に対応するために経営トップの若返りを図る。リーマンショック以上に厳しい時代だが、今後は会長として新頭取を支えていく」と述べ、「当行のテーマは『挑戦がやまがたを強くする』。現在は変化の時代で社会はコロナ前に戻らない。この状況を好機に変えられるよう挑戦してもらいたい」と新頭取への期待を語った。
佐藤氏は「身の引き締まる思い。フットワークを生かして顧客との接点を今まで以上に増やし、最も頼られる銀行になる。地方創生や人材育成の強化にも努めていきたい」と話した。
同行では創業家の三浦、長谷川の両家出身者が交互に頭取へ就任する人事が慣例となっている。両家出身者以外の新頭取就任は、佐藤氏が戦後2人目となる。これについて長谷川氏は「今は世襲の時代ではない。県の未来と発展のため能力を発揮できる人を選んだ」と話した。
長谷川氏は山形市出身。東京大学経済学部卒。住友銀行(現三井住友銀行)勤務を経て、1985年に山形銀行へ入行。常務取締役や代表取締役専務などを経て2005年に頭取へ就任した。
佐藤氏は山形市出身。中央大学経済学部卒業後、1987年に山形銀行入行。酒田支店法人営業部長や営業支援部長、常務取締役などを歴任した。2022年から現職。