2024年(令和6年) 4月27日(土)付紙面より
ツイート
民間有識者でつくる「人口戦略会議」が、24日に公表した全国自治体の持続可能性分析の報告書で、庄内地域5市町のうち鶴岡、酒田、庄内、遊佐の4市町が、若年女性の大幅な減少に伴って将来的に自治体の存続が困難になる「消滅可能性自治体」に分類された。10年前に行われた同様の分析と比較すると、三川町は改善が見られ、消滅可能性の自治体から脱却した。
同会議は、国立社会保障・人口問題研究所が昨年12月に公表した「日本の地域別将来推計人口」を基に分析した。2020年から50年までの30年間で、20―39歳の「若年女性」が50%以上減少する自治体を「消滅可能性自治体」とした。
報告書による庄内5市町の若年女性人口の減少率は表の通り。三川町は、10年前の14年に日本創政会議が同様の手法で分析・公表した「消滅可能性都市」リスト(2010―40年の変化)と比べ、若年女性の減少率が改善し、50%未満と推計されたため、「脱却」の分類となった。14年の前回との比較では、減少率は鶴岡市が1・3ポイント、酒田市は1・5ポイント、三川町は18・8ポイント、遊佐町は3・1ポイントそれぞれ改善し、庄内町は2・7ポイント悪化した。
県内35市町村では、消滅可能性自治体に28市町村が分類され、これに含まれなかったのは前回から「脱却」した天童、南陽、三川に加え、山形、米沢、寒河江、東根の合わせて7市町。地域ブロック別で、東北地方は全体の7割を超える165市町村が消滅可能性自治体に分類され、全国最多だった。
また、報告書では、出生率が低いにもかかわらず他地域からの人口流入が多い東京都の16区など25自治体を「ブラックホール型自治体」と分類した。
今回の分析には、流出・流入の人口移動推計も加味されている。これを除いた「封鎖人口」(人口移動がなく、出生と死亡だけの要因での変化を仮定した推計)では、ブラックホール型自治体の若年女性人口は50%以上の大幅な減少率となった。一方で、庄内5市町の封鎖人口では減少幅は小さくなっている。同会議は「少子化による人口減少は変わらない中で、若年人口を自治体間で奪い合うかのような状況が見られる」としており、地域の状況に即した対策を求めている。