2006年(平成18年) 11月18日(土)付紙面より
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樹上脱渋の技術で生産した庄内柿の新ブランド「庄内柿しぐれ」の品評会が16日、酒田市のJA全農庄内ビルで開かれた。
樹上脱渋は、まだ青い柿の実に固形アルコールを入れたポリ袋をかぶせ、気化するアルコールで脱渋する方法。袋がけから1・5―2日後に袋の下部を開封しアルコールを取り出した後、袋はそのままの状態で収穫期を待つ。
品評会は、樹上脱渋の生産技術の向上と高品質生産を図るとともに、ブランドの確立を目指そうと、県庄内総合支庁と全農庄内本部など農業団体で組織する「樹上脱渋柿ブランド化推進協議会」(大場裕子会長)が今回初めて実施した。
この日は庄内みどり、鶴岡、庄内たがわ、酒田市袖浦などの各農協に所属する庄内一円の生産者たちから32点が出品された。審査員長の庄内総合支庁農業技術研究室の安藤明子室長をはじめ7人が審査員を務め、果実の形状や果実面の傷、色沢などを審査。最優秀に庄内みどりの庄司健吉さんが選ばれ、ほかに優秀、審査員奨励賞を決めた。
安藤審査員長は「今年は強風などの影響で被害が心配されたが、出品された品は果実、色沢ぞろいが良い。また、糖度が基準値を十分に超えており、甘くておいしいものが多い」と話していた。
同本部によると、今シーズンは山間部を中心にクマによる被害の影響で当初予定していた27トンの3分の1減の20トンの出荷になるという。
優秀・審査員奨励賞は次の通り。
▽優秀賞=遠藤武(庄内たがわ)長沢清(庄内みどり)▽審査員奨励賞=斎藤勉(庄内たがわ)後藤正夫(庄内みどり)佐藤俊紀(酒田市袖浦)
果実形状や糖度などが審査された「庄内柿しぐれ」の品評会