2006年(平成18年) 9月22日(金)付紙面より
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庄内地方の洋食シェフたちで組織する「庄内DECクラブ」(会長・太田政宏・レストラン欅シェフ、会員32人)の会員たちが、地元庄内で採れた食材を使ってフルコースの料理を提供する「シェフズディナー」が20日、酒田市のレストラン「ル・ポット・フー」で開かれ、地元の食通たちが、地元素材の魅力とシェフたちの創造性が織り成す料理を堪能した。
庄内DECクラブは西洋料理の技術研さんや地域の洋食文化の拡大などを目的に1989年に結成。食材などに関する年2回の講習を開いているほか、2、3年に1回は一般の賛助会員約50人などを対象にシェフズディナーを開き、技術研さんの成果を披露している。DECはDevelopment(発展)、European Food(洋食)、Creation(創造)の3つの英単語の頭文字を取ったもの。
6回目の今回は、県庄内総合支庁が地産地消推進事業の一環で初めて共催し、地元の食材にこだわった会とした。同総合支庁が地産地消推進で「食の都庄内」親善大使に委嘱している太田会長、奥田政行さん(アル・ケッチァーノ)、古庄浩さん(元・東京第一ホテル鶴岡)の3人が会員となっている縁。
会員たちは本番まで4回の会合で、前菜や肉、魚料理、デザートなどの担当を決め、地元食材の栽培地の視察を含む下調べ、メニューの考案など準備。この日の本番には会員24人が集まり、賛助会員や一般、合わせて64人の客に6品によるフルコースを振る舞った。
出された料理は、1キロ1万2000円の値が付くという鶴岡市小名部のシイタケ、同市のだだちゃ豆、同市羽黒町のアスパラガスなどを使った「庄内野菜とフォアグラのテリーヌ小名部産しいたけのマリネ」、庄内町添津のズイキ芋をタルトにするという斬新な発想の「庄内牛の岩塩ロースト添津産ズイキ芋のタルト添えとカラドリ」、甘みの強い酒田市平田の赤ネギをソースに加えて深い味わいを出した「甘鯛とオマールのスフレ赤ネギのクリームソース」など。フォアグラやオマールエビなど一部を除き、野菜や肉、魚介類を含む大半が庄内の食材。
テーブルに1品ずつ運ばれるたび、「すごい」「おいしい」という声とともに、笑顔が広がった。
鶴岡市から参加した男性は「大満足。特にシイタケの食感には、これがシイタケかと驚いた。隠れた食材がまだまだあるはずで、庄内はすごいという思いを新たにした」と話した。
普段からなるべく地元の食材を使っているという太田会長は庄内の食材について、「全般的に味が濃く、近年は中央の著名なシェフたちにも高い評価を得ている」と話す。
また、シェフズディナーについては「別々の店の料理人が交流するのはよそではあまりないが、庄内ではお互いに技術をを学び合い、良い意味の競争心で『もっとおいしいものを』と創造性を高め、地域全体のレベルアップにつながっている。庄内には和食にも同様の『調桜会』があってDECクラブとも仲が良く、そんな交流も生かして研さんし、さらに『食の都庄内』を発信していきたい」と話していた。
庄内の素材を使った創作料理に舌鼓を打つ参加者
2006年(平成18年) 9月22日(金)付紙面より
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秋の交通安全県民運動が21日、県下一斉にスタートした。30日までの期間中、高齢者の交通事故防止を運動の基本とし、最近の重大事故原因である飲酒運転撲滅も重点活動に入れ、庄内地方でも警察や各市町、各地区交通安全団体が一丸となり、活動を展開する。
今年の運動では、▽夕暮れ時の歩行者・自転車の事故防止▽交通マナーアップによる道路横断時の事故防止▽シートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底―の3点を重点目標に掲げた。
初日の21日、鶴岡市の大山地区の県道交差点では、大山小児童らで組織する交通安全隊11人が、朝の交通量が増える時間帯に合わせ街頭活動。児童らは「安全運転」「交通安全」などのプラカードを持ち、ドライバーらに事故防止を訴えた。
一方、山形自動車道鶴岡インターチェンジ(IC)でも同日、交通安全キャンペーンが行われた。東日本鶴岡工事事務所と高速道路交通警察隊鶴岡分駐隊ら13人が参加し、高速道路を利用するドライバーに安全運転を呼びかけた。
期間中、鶴岡署管内では、高齢者ドライバーを対象とした「交通安全スクール」や交通ルールを学ぶ「交通安全教育グラウンドゴルフ大会」などが開かれる。
酒田署管内では、琢成、若浜、富士見各学区の全家庭を訪問する交通安全指導や高校生を対象にした運転免許取得前安全教室、交通安全高齢者等市民大会などが開催される。
庄内署管内では、国道47号沿いで新米をドライバーにプレゼントする「新米にかえりしっかりハンドルおにぎり作戦」や無灯火など軽微な違反をしている自転車に対し指導・警告する「たそがれイエローカード作戦」などを行う。
プラカードを持ち、交通安全を呼びかける大山小児童