2007年(平成19年) 6月26日(火)付紙面より
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日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の建設促進を図る「第20回日本海夕陽ラインシンポジウムin酒田」が24日、酒田市の東北公益文科大公益ホールで開かれ、講演やパネルディスカッションなどを通じて、地域づくりにおける高速道路ネットワークの重要性を再確認し、本県南北県境を中心とする基本計画区間の早期着工に向け機運を高めた。
新潟、山形、秋田、青森の日沿道沿線4県の17の青年会議所(JC)による日本海夕陽ラインネットワーク協議会(会長・服部正規酒田JC理事長)が「日本海沿岸地域の夢と大切なこどもたちへつなぐもの」をテーマに開いた。沿線のJCや市町村関係者らを含め約500人が参加した。
はじめに国土交通省の宮田年耕道路局長が「道路整備と地域振興」と題して基調講演。欧米などに比べ日本の高速道路整備が遅れていることや、国内では整備が遅れている地域と工業出荷額の低い地域、高齢化の著しい地域が重なっている状況などを挙げ、「未整備地域は競争力の基盤をもたされていない」と、高速道路が社会インフラとして不可欠なことを強調。
日沿道で基本計画区間のままとなっている朝日(新潟県)―温海間約40キロ、酒田みなと―象潟間30キロなどについては、「どういうふうに格上げしていくかが、年内に中期計画をつくる上で最大の課題。今から道路局でも、ステップを上げる努力が必要」とし、「年末に向け、地域の声、実態を伝えて」と地元から必要性を訴えていく重要性を強調した。
続くパネルディスカッションでは、「未来の子どもたちへつなぐもの?夕陽ラインの夢とビジョン」をテーマに、東北公益文科大の高橋英彦教授がコーディネーター、加藤紘一衆院議員、コラボねっとの石井布紀子代表、キャスターの出光ケイさん、酒田JCの服部理事長の4人がパネリストとなって意見交換した。
パネラーからは「これから朝鮮半島の情勢が変わり、対岸との関係が深まるので、高速を造って新潟、山形、秋田でうまく回すことが大切になる」(加藤衆院議員)、「人間の優しさなどソフトなインフラはハードなインフラを超えるが、そのソフトを生かすためには道路などのハードも重要。双方で地域力を高めていくべき」(石井さん)といった意見が出ていた。