2007年(平成19年) 10月13日(土)付紙面より
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庄内沿岸で秋サケ漁が始まり、10日には由良漁港で今シーズン初めての本格的な水揚げがあった。全体的にまだ小ぶりで漁獲量も少ない状況の中、地元の漁業関係者は「時化(しけ)で海が荒れないとサケが寄ってこない。今年は漁のピークが遅れるかも」と心配顔だ。
県漁協由良支所によると、今シーズンは先月20日過ぎにサケ漁がスタート。由良や三瀬沖などに小型の定置網を仕掛けた。もともと9月中の漁獲量は少ないが「例年なら少なくとも1日に1、2本はかかっているのに今年はまったく網に掛からない日が続いた」という。
同支所によると、例年は10月に入るとすぐ大漁の日があり、20日ごろから本格的な水揚げとなる。しかし今年は10月に入ってからも漁獲量は変わらず、1日で1ケース(3、4本)の日も。
同支所で本格的な水揚げが出たのは10日。前日までの雨で海が荒れ、10日は午前中に約400本のサケが捕れた。午後も200本前後の水揚げがあり、漁船から次々とサケが運び込まれ、市場は活気にあふれた。地元漁業関係者は「やっと岸に寄ってきたが、全体的に小ぶり。昨年は1本3―3・5キロがざらだったが、今年は平均すると2・5キロ前後では」と話していた。また、水揚げの様子を見に来た近くの住民は「やっとサケが捕れるようになった。でもまだ高くて口に入らない」とぼやく姿も見られた。
同支所によると、11日以降は再び水揚げ量が下がっており、「今年は水揚げのピークが11月にずれ込む可能性もある」と見ている。
水揚げ量の低調について、県水産試験場(鶴岡市加茂)では「この時期、サケの漁獲量は波がある。群れで動く魚で低水温の海域を好むため、海流や水温などさまざまな原因が考えられるが、すぐに原因を特定することは難しい。沿岸の表層温度が高かったのも原因の一つかもしれない」と慎重な見解を示し、「今後、20日ごろまで海が荒れる日が続くので、しばらくは様子を見たい」と話していた。
サケが市場の床を埋めた=10日、鶴岡市由良
2007年(平成19年) 10月13日(土)付紙面より
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第23回東北地区へき地教育研究大会山形大会、第41回山形県へき地・小規模学校研究大会田川大会が11、12の両日、鶴岡市の温海地域で繰り広げられた。県内をはじめ東北各県から教育者が参加し、公開授業や全体会などを通じて地域に根ざした教育について考えた。
研究大会は、へき地や小規模、複式学級をもつ学校の経営や学習・生徒指導の充実を目的に開催されている。へき地、小規模校でこれまで実践されてきた教育は、少子化による児童数の減少の中、少人数学級編制、少人数指導に生かされるなど重要な役割を果たしている。
今大会は「ふるさとに誇りを持ち、新しい時代を拓(ひら)く、心豊かな子どもの育成」などの研究主題の下、公開授業などの分科会、全体会、課題別での分散会を繰り広げた。
11日の公開授業は鶴岡市温海地域の五十川、福栄、山戸各小学校と温海中学校で行われ、小規模校の良さを生かした複式学級のカリキュラムの提案などのテーマで発表が行われた。
また、12日は温海ふれあいセンターで全体会を開催。山形大の江間史明教授が「温海の学びづくり―これまでとこれから」と題して講演。続いて6テーマに分かれての分散会では地域の特性を生かした交流活動、小中一環指導などの研究発表をもとに意見を交わした。
小規模校での教育のあり方などを考えた東北地区へき地教育研究大会