2007年(平成19年) 10月19日(金)付紙面より
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40年以上にわたり、山形県立乳児院と県庄内児童相談所(ともに鶴岡市道形町)の嘱託医を務めた小児科医の荻原満さん(85)=鶴岡市切添町=に18日、齋藤弘県知事から感謝状が贈られた。
荻原さんは札幌市出身。1948年に岩手医科専門学校を卒業。55年に父親の故郷である鶴岡市で開業。60年7月から今年3月まで46年9カ月にわたり嘱託医として、入所児童や一時保護児童の入所時健診、月一回の定期健診、急患時の診療など、子供たちの健康管理に努めた。また、趣味としている洋画を多数寄贈し潤いある施設づくりにも貢献した。
特に診療では、自身が子供のころに病弱だった経験から注射器を使用せず、血液検査ではなく超音波による病状診断を行うなど、常に子供たちの気持ちに寄り添った診療で信頼を得ていたという。
乳児院で行われた贈呈式で、齋藤知事は「長年にわたって貢献いただきありがとうございます。これからも地域医療のためによろしくお願いします」と、荻原さんに感謝状を手渡した。また、乳児院に入所している幼児6人から花束が贈られた。
荻原さんは「子供が好きで一緒に遊ばせてもらった46年間だった。子供時代に病気ばかりでつらい思いをしたので、子供たちに怖い思いをさせない診療を心掛けてきた。ありがたさで胸がいっぱい」と謝辞を述べた。
荻原さん(左)に知事から感謝状が贈られた
2007年(平成19年) 10月19日(金)付紙面より
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首都圏在住の中高年を対象とした「体験型観光モニターツアー」で、鶴岡市の友好都市・東京都江戸川区の区民らが17日から2泊3日の日程で同市を訪れ、伝統工芸やそば打ちなど各種体験メニューを楽しんでいる。参加者の意見を参考に、今後の受け入れ態勢の整備や旅行商品づくりにつなげていく。
体験型観光の人気が高まっている中、鶴岡の自然や文化を活用した体験メニューを盛り込んだ観光振興を図ろうと、市が初めて企画した。内容は各種体験メニューと温泉宿泊を盛り込んだ。
ツアーには、市が同区の広報紙を通じて募集し、抽選で選ばれた女性区民6人と旅行エージェント3人が参加。17―19日までの2泊3日の日程で鶴岡市内を巡り、クリ拾い体験、繭(まゆ)クラフトづくり、王祇会館や黒川能伝習館での黒川能の仕舞鑑賞、観光果樹園でのブドウやリンゴ狩りと芋煮会などを体験する予定。
一行は空路で庄内入りし、初日の17日は市立加茂水族館のバックヤードツアー、富樫ろうそく店(山王町)での絵ろうそくづくりや住吉屋(上畑町)での和菓子づくりを体験した。
参加した女性たちはいずれも初めての来鶴。鶴岡の印象について「高い建物が無く静かでいいところ」「藤沢周平作品が好きで一度は訪れてみたかった」と話した。旅行について「家を空けるのは3日間がぎりぎり。1カ所ぐらいの体験と温泉でのんびり過ごせる旅がいい」「陶芸はよくあるが、ろうそくの絵付けは初めてで楽しい。稲刈りなど農業体験もしてみたい」などと提案していた。
また、旅行エージェントのスタッフは「女性客には趣味につながる体験メニューを盛り込んだツアー商品が受ける」「個人、グループ旅行では空港や駅からの2次交通の確保、充実が重要」などと話していた。
2日目は羽黒、朝日地域、最終日は櫛引地域でさまざまな体験観光を楽しむ。また、最後には市観光物産課職員との意見交換も予定されている。
絵ろうそくづくり体験を楽しむツアーモニターの女性たち=17日