2007年(平成19年) 12月29日(土)付紙面より
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県と県農協中央会は27日、県庁で市町村担当課長・農協参事合同会議を開き、2008年産米の市町村別の生産目標数量となる「需要量に関する情報」を提示した。国から県に対する過剰作付けのペナルティー分1449トンの対応では、本年産で過剰作付けがあったと報告した酒田市や三川町、庄内町、遊佐町など13市町に計417トン分を科し、残る1032トンについては国と市町村の作付面積把握の乖離(かいり)によるものとして全市町村に案分して振り分けた。08年産の県全体の需要量は07年産比1・99%の減で、07年産と比べて増加するのは庄内町だけとなっている。
国から提示された県の08年産需要量は38万1940トン(面積換算6万4268ヘクタール)で、07年産比7770トンの減。本年産で過剰作付けがあったとされた県は、ペナルティーとして08年産の需要量は1449トン分が削減された。
このペナルティー分について県は、1国の統計作付面積と市町村の水田台帳面積の乖離2市町村の配分基準単収の設定が不適切3生産調整非参加者の過剰作付け―に整理。2と3については、過剰作付けが判明した13市町に対するペナルティー分として、13市町の過剰数量計3191トンに県のペナルティー率13・07%を当てはめ417トンと算出し、過剰数量に応じて案分し削減した。残る1032トンについては、統計上の問題として県全体で対応することとし、各市町村の需要量に応じて案分して減じた。県によると、2と3によるペナルティー分は、尾花沢市の83トンが最も多く、次いで遊佐町の78トン、新庄市の67トン、酒田市の61トンなど。
08年産の需要量の算定は、全体の92・5%を市町村ごとの生産量を基本に配分し、残りは▽一等米比率(2%)▽単収(2%)▽大規模経営面積比率(1%)▽品目横断的経営安定対策加入比率(1%)▽JAS有機栽培米や特別栽培米、エコファーマー認証面積など「安心感のある商品を提供できる米づくり」(1・5%)―の要素を加味して配分した。07年産と比べ、生産量の配分比率を0・5ポイント下げて「安心感」に振り向けたほか、経営安定対策加入比率の要素を新たに加えた。
提示された市町村別需要量をみると、庄内地域全体では15万2938トン(面積換算2万5657ヘクタール)で、07年産比1676トン、1・08%の減となり、県全体の減少率1・99%の約半分に抑えられた。県によると、庄内は他地域に比べてJAS有機や特別栽培に取り組む生産者が多く、経営安定対策への加入率も高いためで、過剰作付けのペナルティーを科されながらも庄内町が07年産の配分を上回ったのもエコファーマーなど「安心感のある米づくり」への取り組み面積が多いためという。
庄内各市町の08年産需要量は07年産に比べ、庄内町が159トンの増で、鶴岡市は830トン、酒田市は753トン、三川町は88トン、遊佐町は164トンそれぞれ減少となった。
この日の会議では、国の「当面の生産調整の進め方」が報告され、08年産の生産調整を達成できない都道府県・地域については▽08年産の産地づくり対策が予定通り交付されないことがある▽09年産の同対策で不利な取り扱いを受けることがある―などのペナルティーが盛り込まれていることが説明された。これを受け、東北農政局山形農政事務所や県、県農協中央会は、08年産米生産調整の実効性確保に向け、市町村と各農協の協力を強く要請した。