2007年(平成19年) 12月30日(日)付紙面より
ツイート
鶴岡市大岩川の浜中地区で28日、小学生の女の子同士がわらのくじを引いて「姉妹の契(ちぎ)り」を結ぶ珍しい風習「ケヤキ姉妹」の儀式が、同地区の大阪神社で取り行われた。1999年以来8年ぶりで、2組の姉妹が誕生、生涯にわたって姉妹として交際していくことを誓った。
風習の由来ははっきりしないが、約200年の歴史があるとされ、「ケヤキ」は樹木の欅(けやき)ではなく「契約」がなまったものという。成女になるための儀式的な意味を持ち、女性の大役であるお産が軽くすむように祈る行事ともされる。契りを結んだ2人が、大みそかから元日にかけて「断食」などの行を一緒に行い、3年間続けるとお嫁にいってもよいとされていた。
このような風習は全国的にも珍しく、1989年に旧温海町の無形民俗文化財、93年には国選択文化財の指定を受けた。
この日は午後2時すぎに子供たちが同神社に集合。前回に誕生した先輩姉妹2人が指導役を務め、わらを2つに折った4本のくじを用意し、みんなで輪になりくじを引き、姉妹の組み合わせを決めた。
誕生した姉妹は、佐藤瑠菜さん(11)=温海小5年=と剣持朋美さん(9)=同4年=、剣持幸菜さん(10)=同5年=と佐々木春花さん(11)=同5年=の2組。神社から200メートルほど離れた小国川の河口まで引いたくじをつかんだまま移動し、くじを川に流し末永く姉妹として付き合っていくことを誓った。
この日結ばれた2組の姉妹は、大みそかに地区内の剣持一善さん方に一緒に泊まり、持ち寄ったもちを交換して食べた後、元日の昼まで食べ物を口にしない「断食」の行に入る。早朝には同神社で祈祷(とう)も行う。
次回の契りの儀式は、地区内に対象となる小学生の子供がいないため、5、6年後になるという。
小学生の女の子たちがわらのくじを引き、生涯にわたって姉妹の契りを結んだ