2008年(平成20年) 5月29日(木)付紙面より
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東北公益文科大の新学長に決まっている黒田昌裕氏(67)が28日、同大の酒田キャンパスで開かれた理事会・評議員会であいさつし、「全員参加型でこの大学、この地域を良くしていきたい」と抱負を述べた。
黒田氏は慶応大経済学部卒。同大の商学部教授、産業経済研究所長、常任理事など歴任。2005年6月から内閣府経済社会総合研究所長を務めている。今年3月の公益大理事会で、01年の開学から学長を務めてきた小松隆二氏の後任に決まった。学長就任は6月1日付。
この日は理事会・評議員会の冒頭で、まず小松学長が「(開学準備から)あっという間の13年間だった」と振り返り、「まだ課題の多い大学だが、次の学長に決まった黒田さんは大変信頼できる人。業績、人物とも申し分なく、安心して辞められる」と現在の心境を述べた。
黒田氏は「来てみて素晴らしい環境と施設。その中で学生が公益学を学べる拠点になっていることを、ひしひしと感じた」と切り出し、鶴岡の雰囲気が高校時代まで住んでいた故郷の金沢に似ていて「ほっとする印象を持った」と話した。
学長就任は昨年秋に打診され、最初は「私のような人が」と考えていたが、同大の日野雅夫理事長や富塚鶴岡、阿部酒田両市長、齋藤弘県知事らと出会い、いかに人材育成が大事かと考えていることを知り、「少しでも役立てればと、今年2月ごろに決心した」と説明した。
「大学は今、変革の時期を迎えている」との認識を示し、公益大学長就任後は「社会を先導し、世界全体に飛躍する人材を育てる新しい形の大学をつくることにチャレンジさせてもらい、その姿を庄内から発信していきたい」と力強く語った。
公益大の理事らにあいさつする黒田昌裕次期学長