2008年(平成20年) 9月5日(金)付紙面より
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「源氏物語千年紀つるおか 三木稔『オペラ源氏物語』ハイライトコンサート」が、10月7日に鶴岡市文化会館で開かれる。英語版「オペラ源氏物語」の米国公演で絶賛された世界的な作曲家・三木稔氏が、日本語版に仕上げたオペラのハイライトコンサートで、鶴岡が初演の地となる。
日本語版「オペラ源氏物語」の鶴岡公演は、国学院大の創設にかかわった故三矢重松氏と作家の丸谷才一氏という国内を代表する2人の源氏物語研究家が鶴岡市出身であることや、三矢氏に師事した国文学者の故折口信夫氏、歌人の岡野弘彦氏ら源氏物語を取り巻く人々と鶴岡とのかかわりの深さがきっかけとなった。
鶴岡市出身で今回の企画を総合プロデュースするNPO法人日本芸術振興協会の毛呂文紀理事長を中心に、イタリアで活躍する世界的なオペラ指揮者の吉田裕史氏ら新進の芸術家による鶴岡公演応援隊ができ、三木氏の作詩、作曲、編曲による日本語版「オペラ源氏物語」のハイライトコンサートが実現する。地元の民間でつくる実行委員会(委員長・山崎誠助鶴岡市芸術文化協会長)が主催する。
ハイライトコンサートの指揮者は吉田氏、オーケストラは東邦音楽大管弦楽団。国際的に活躍するシズカ楊静さんが中国琵琶、琴を木村玲子さんが担当し、桐壺帝や光源氏、六条御息所、藤壺、紫上、葵上など登場人物の8人のソリストも国内や海外のコンクールで受賞経験のある国内オペラ界の代表的歌手がそろう。源氏物語の朗読は、鶴岡放送局に勤務経験がある元NHKアナウンサーで源氏物語全講会研究顧問の杉浦俊治さんが担当する。
実行委員会は「紫式部が源氏物語を書いた千年紀の年に、三木氏の日本語版『オペラ源氏物語』の初演が庄内で行われる。今後、東京、京都でグランドオペラとして完成され、イタリアでの公演も目指している。それを期待するイタリアのオペラ座からは公式招待状も届けられ、世界のオペラとして上演されたとき、初演が庄内だったことが長く語り継がれていくだろう」としている。
公演は午後6時半から。入場券はA席(自由席)が4000円で、S席(指定席、6000円)は完売した。鶴岡商工会議所、荘内銀行、NPO法人日本芸術振興協会が共催し、京都市の源氏物語千年紀委員会、県、鶴岡市、荘内日報社などが後援。入場券の問い合わせは、実行委員会事務局の荘内日報社=電0235(22)1480=へ。
鶴岡が初演となる三木氏の日本語版「オペラ源氏物語」ハイライトコンサートのポスター