2010年(平成22年) 3月18日(木)付紙面より
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本年度いっぱいで閉園される鶴岡市立大山幼稚園(荒澤和子園長)で17日、最後の修了証書授与式が行われた。卒園児10人を送り出し、115年間続いた園の歴史に幕を閉じた。
同園は1894(明治27)年12月に旧大山町の大山尋常高等小学校付属幼稚園として創立。当時、県内では初の幼稚園だった。1963年の旧市町村合併で鶴岡市立大山幼稚園となった。同園によると、国公立の幼稚園としてはお茶の水女子大付属幼稚園(東京都)に次ぐ全国2番目の歴史を持つという。これまで、9000人以上の卒園児を送り出した。
同園では慣例的に、大山保育園の園児が5歳児になると幼稚園に移るケースが多かった。しかし、近年は長時間保育を求める保護者の保育ニーズに伴い、入園児数が激減。定員105人に対し、入園児は十数人ほどまでに減っていた。
この日の修了証書授与式には卒園児や保護者、来賓など約50人が出席。園児たちが園歌を元気良く歌い上げた後、荒澤園長が卒園児一人一人に修了証書を手渡し、「今日は115年続いた園の歴史に幕を閉じる閉式の日でもある。皆さんが巣立った後、園がなくなると思うと底知れぬ寂しさを感じる。10人の皆さん卒園おめでとう。そして、大山幼稚園、さようなら」とあいさつした。
来賓のあいさつに続いて、卒園児全員で運動会やクリスマス会など1年間の思い出を歌や踊りを交えて発表し、「幼稚園は楽しい思い出がいっぱいでした。1年生になっても頑張ります」とお別れの言葉を述べた。
閉式後、武山育市教育委員長が「大山幼稚園は今日の卒園児を最後に幕を閉じる。これからも大山に生まれた子供たちが健やかに育ち地区が発展することを祈念したい」と大山幼稚園の閉園を告示した。
卒園児の祖父で今回来賓で出席した橋本正輝大山自治会長は「親子三代で大山幼稚園を卒園できたは感無量な思い。社会情勢の変化で閉園されるのはやむを得ないと思うが、やはり大変寂しい」と話していた。