2010年(平成22年) 8月28日(土)付紙面より
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鶴岡市の山形大農学部に26日、近くの県立鶴岡南高の生徒が訪れ、同大の加来伸夫准教授の指導で微生物の観察実験などに取り組んだ。
この高大連携授業は、鶴岡南高が本年度、独立行政法人科学技術振興機構(本部・東京都千代田区)のサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)事業の採択を受けて取り組んでいる。同事業は、児童・生徒の科学技術・理科・数学に対する興味・関心の育成などを狙いに、大学などと連携した体験的な学習を支援するもの。同校理数科の2年生が11月まで3回、山形大農学部と連携授業を行う。
初回のこの日は生徒35人が農学部を訪れ、加来准教授(専門・応用微生物学など)の講義を受けた。座学で微生物に関する基本的なことを学んだ後、光学顕微鏡を使った実験として、大腸菌と黄色ブドウ球菌を染色しての観察、水田と池から取った水にすむ微生物の観察に取り組んだ。
観察用の標本を作る作業で、ガラス板をバーナーの火に当てるとき、加来准教授は「ハムを切る速さで」などユニークに指導。生徒たちは普段とは違う専門的な授業に、興味深そうに取り組んでいた。
齋藤万和君(16)は「顕微鏡で微生物が拡大され、詳しく見ることができた」と感激した様子で感想を話した。
来月には鶴岡南高で農学部の三橋渉教授が酵素の性質を探る実験など、11月には農学部で夏賀元康教授が光による農産物の品質測定に関する実験などを行う予定。