2010年(平成22年) 9月1日(水)付紙面より
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南東北大学野球連盟1部リーグに昇格した酒田市の東北公益文科大硬式野球部と東京六大学野球連盟の強豪・慶應義塾大野球部との親善交流試合が30日、鶴岡市の鶴岡ドリームスタジアムで行われ、公益大は1―10で敗れた。対戦した公益大の長谷川創主将(3年)は「強豪の強さを思い知らされた。神宮大会に出場し、もう一度、慶應大と対戦したい」と全国の大舞台での再戦を誓った。
公益大野球部は2005年に創部。現在部員は、女子マネジャーを含め1―4年生計27人。今年の春季リーグ2部で5勝1敗の好成績で優勝。続く山形大工学部との入れ替え戦で勝利し、1部昇格を決めた。
今回の親善交流試合は、公益大が創立10周年の節目を迎えたことを受け記念事業の一環として、鶴岡野球連盟(渋谷益生会長)の協力で企画。慶應大は今春の東京六大学リーグの覇者。今年6月に行われた第59回全日本大学野球選手権大会でベスト4に進出した。
試合開始を前にセレモニーが行われ、榎本政規鶴岡市長が「庄内を代表するだだちゃ豆とお米を食べて、ぜひ秋季リーグ戦も優勝してください」と慶應大の江藤省三監督と湯本達司主将(4年)に鶴岡特産のだだちゃ豆12キロ、庄内米60キロを贈った。
試合は公益大の新田嘉一理事長の始球式でプレーボール。初回に先制した慶應がペースを握り、4回には打者一巡の猛攻で大量6点を挙げるなど投打に圧倒した。公益大は4回途中に代わった水口天地投手(1年、羽黒高出身)が5回3分の2を2失点に抑える好投を見せた。9回2死まで慶應大投手陣にノーヒットノーランに抑えられていたが、3番阿部哲哉がしぶとく内野安打で出塁すると、続く4番長谷川創が右中間を破る適時二塁打で1点を返した。全国屈指の強豪に一矢報いる一打に、会場からは「よくやった」と声援が送られていた。
打点を挙げた長谷川主将は「スリーアウトや1点がすごく遠く感じ、これが強豪チームだと思い知らされた。狙った通りのスイングが結果につながり、ゼロ点で終わらなくて良かった。もっともっと練習して、夢の神宮大会に出場したい」と話していた。
2010年(平成22年) 9月1日(水)付紙面より
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「地域密着型観光人材養成研修」が30、31の両日、酒田市のホテルリッチ&ガーデン酒田で開かれた。開発機運が高まっている「着地型観光」を推進するため、観光まちづくりを担う事業体「デスティネーション・マネジメント・カンパニー(DMC)」の育成について学んだ。
魅力ある観光まちづくりには、そのけん引役となる担い手の育成や、地域の内外をつなぐDMCのような組織の形成が必要になっていることから、日本観光協会が全国で研修を実施している。今回は、日本海きらきら羽越観光圏推進協議会(会長・榎本政規鶴岡市長)と共催した。
庄内地方を中心に新潟、秋田両県から、観光地域づくりに取り組んだり、その意欲を持つ行政、観光協会(連盟)、民間宿泊施設などの関係者ら30人余りが参加。初日は、国土交通省の「成長戦略会議」委員として「観光立国」に向けた策定に取り組んでいるNPO法人グローバルキャンプ(本部・東京都渋谷区)の大社充理事長が、研修の狙いなどを説明した。
続いて同省観光庁観光地域振興課の半田雅則専門官が、観光地域づくりに対する国の支援制度を解説。観光圏整備事業費補助、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金の交付、社会資本整備への配慮、旅行業法の特例など国の主な支援メニューや、相談内容に応じてアドバイスや関係官庁・部局への橋渡しなどを行う「観光地域づくり相談窓口」を紹介した。
その後、大社理事長が「着地型観光を推進する観光地域づくりプラットフォームの形成と地域振興」をテーマに講義。旅行がパッケージ型に代表される旧来型の「行こうよ(発地)型」から、地元が中心になって商品開発する「おいでよ(着地)型」に転換しているとし、それに対応する「ユーザーを向いた自立型の組織づくりが必要」と述べた。
さらに、「個人に依存した地域づくりは長続きしない。全体として成長できる組織をどうつくるかが課題」と強調。観光まちづくり事業体の事例として、「道の駅」を中心に二次加工品などの販売で事業展開を図る「資源開発型」などを挙げた上で、「今のところ成功モデルはない。地域特性がそれぞれ違うため」と、地域の実情に応じた組織づくりを提案した。
2日目は、大分県別府市の再生に取り組んでいるNPO法人ハットウ・オンパクの鶴田浩一郎代表理事と大社理事長を講師に、地域活性手法などを学んだ。