2010年(平成22年) 12月1日(水)付紙面より
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「鶴岡から発心する」を掲げるムック本「世寸(せすん)」の最新・第22号が発刊された。「世寸版庄内弁カルタ」と銘打ち、庄内地方の暮らしや風物を、いろは48文字の順に、庄内弁の読み札と取り札(写真とイラストの2種)でカルタ風に表現した。実際に切り取ってカルタとして遊ぶこともできる。
「世寸」は、グラフィックデザインや写真、印刷などにかかわる地元の人たちで編集部(さとうれいこ編集長)をつくり、2003年10月に創刊。「東北の小さな都市(machi)から日本と日本人を視(み)つめる実験季刊誌」として、庄内の文化や風俗などに焦点を当て、年数回発刊している。
今回は、創刊号から庄内弁にまつわるエッセーなどを連載してきた編集部のデザイナー、渡會薫さん(41)=庄内町千河原=が企画・制作を担当。読み札の文面とイラストは渡會さん、写真は編集部の写真家・高橋政知さん、方言監修は本紙論説委員の元NHKアナウンサー、中里欣一さん(同市みどり町)が務めた。
読み札は、例えば「は」が「はがいぐの おらほのさげは こでらいね のめばのむたげ あぁしょむのや…」(共通語解説=はかどるね 地元のお酒はたまらんね 飲めば飲むほど あぁしみるねぇ…)、「ほ」が「ほどわらを こいであるげば ぬがるなや 足とんねぐで ふてめあう」(雪原をかきわけて歩けば ハマるんだ 足が抜けずに ひどい目に遭う)といった具合。裏面には「はがいぐ」「こでらいね」などキーワードを解説している。取り札はイラストのものと写真のものの2種があり、写真は鶴岡の食や観光スポットを中心に、裏面にその紹介文を載せた。
渡會さんは「余目に生まれ、高校時代から鶴岡に通う中で、言葉の違いを意識してきた。最近の子供たちは庄内弁を使わなくなったが、庄内弁やその根底にある人々の暮らし、ぬくもりを感じ、伝えていってもらいたい」とカルタに寄せる思いを語る。
A4判、40ページ。カラー刷り。500部を製作。サポーター会員に配布するほか、一般にも販売する(予定価格700円)。問い合わせは世寸編集部(はんどれい内)=電0235(24)0833=へ。