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2010年(平成22年) 1月16日(土)付紙面より

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海の産直カー「海丸」 新年度自主運行も期待

 鶴岡市の由良と鼠ケ関の漁港に水揚げされた海産物を積み込み、同市の中山間地や市街地で販売する海の産直カー「海丸(うみまる)」が、昨年9月に運行を始めて4カ月が経過した。目標としている1日平均10万円の売り上げには届かないが、新鮮な地魚に固定ファンも多く、運行主体の担当者は「旬の地魚を楽しみに待っていてくれて、1匹丸ごと購入してくれる人が少なくない」と手応えを感じている。

 海丸は、同市が国の「地方の元気再生事業」の採択を受けて取り組む「森の産直カー」の海産物版。県漁協と関係地区の漁業者団体などで組織する「森の産直カー漁村地域推進協議会」(会長・五十嵐安哉県漁協組合長)が主体となり、昨年9月の底引き網漁解禁に合わせて運行を始めた。由良と鼠ケ関の魚市場で仕入れた魚介類を冷蔵ケース付きの2トントラック「海丸」で運び、平日の週4日、朝日や櫛引、羽黒の中山間地と市街地を回り販売している。週末には市内や山形市を中心にした内陸地区のイベントにも出張し庄内浜の新鮮な魚介類を届けている。

 こうしたイベント参加も含め昨年12月末までの4カ月で87日間運行され、売り上げは計約560万円、1日平均約6万5000円となっている。同協議会は、国の助成がある事業採択が終わる新年度以降の自主運行も視野に入れ、目標値を「1日10万円」と設定している。

 漁業者の団体が直接販売する形態であらためてつかんだ消費者の嗜好(しこう)もある。中山間地では特に年配の人々が切り身ではなく1匹を丸ごと購入する傾向が強く、「切り身が好まれると思っていたが、『まず、うめぐで、うめぐで』と1匹ままを購入してくれる。流通業者相手だけではつかめなかった嗜好が、直接販売してみて分かった」と運行担当者。普段は流通することが少ない珍しい地魚も喜んで購入してもらえるという。

 また、山形市内での出張販売も好調で、1日平均10万円の売り上げを確保する。担当者は「庄内浜の地魚に対するあこがれのようなものを感じる。内陸では庄内浜の魚を買う機会がまだまだ少なく、庄内で水揚げされる魚の種類を知らない人も多く、海丸による直接販売の開拓の余地は十分ある」と手応えを話す。

 海丸の事業採択による運行は3月上旬までの予定で、これからは旬の寒ダラやヤリイカ、ズワイガニ、カレイ類を届ける。同協議会は今後、運行状況を検証した上で、4月からの自主運行の形態などについて詰めていく。

中山間地を中心に漁港直送の新鮮な海産物を届ける海丸の販売=昨年9月
中山間地を中心に漁港直送の新鮮な海産物を届ける海丸の販売=昨年9月


2010年(平成22年) 1月16日(土)付紙面より

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4月開校へ準備着々 酒田市立看護専門学校 一般入試も出願始まる

 酒田市立酒田看護専門学校(中町三丁目)が今年4月に開校する。酒田地区医師会所属の開業医で組織する社団法人「十全堂社」(社長・本間清和同医師会長)から市が運営を引き継ぎ、3年制の看護師養成校として新たなスタートを切るもの。学年定員は30人。第1期生の推薦入試は既に終了し、9人が合格した。15日には、一般入試の願書受け付けが始まった。

 同校は、1911年に開所した飽海郡産婆養成所が前身。87年に酒田准看護学院に名称変更し、2年制の准看護学科で准看護師を養成してきた。96年には准看護師が看護師資格を取得するための看護科(通称・進学コース、2年課程のカリキュラムを3年かけて学ぶ昼間定時制)を開設。同時に名称を酒田看護専門学校とした。

 その後、制度改革に伴って准看護科は2005年度を最後に募集停止。全日制の3年課程で看護師の資格を取得する通称・レギュラーコースの設置を模索したが、運営費の大半を拠出する十全堂社の負担が限界を超えるなどの理由で、最後の学生が卒業する09年度末での閉校を決めた。

 しかし、「地域の看護師需要はあり、看護教育は必要」として、十全堂社が市に運営の引き継ぎを打診。市も「地域医療の充実、雇用対策などにつながる」との考えから07年3月までに、受け入れる方針を打ち出した。

 市への移管で最大のネックだった建物の確保も、十全堂社が同校の校舎を市に無償譲渡することで解消。市は昨年7月、新・酒田看護専門学校の設置申請を東北厚生局に行う一方、レギュラーコースの設置基準に合わせるため、一般家屋の内部を模した在宅実習室を整備するなど、約760万円をかけて建物の一部を改修した。

 市健康課によると、昨年12月25日付で厚生労働省の指定承認と県教委の専門学校としての認可があり、建物の完成検査もこのほど終了した。開校後は、現在の講師陣を中心に8人の専任教員が学生の指導に当たる。校長には日本海総合病院酒田医療センターの豊田幹夫副院長が就任する予定。また、副校長にもレギュラーコースの講師資格を有する医師を招くことにしている。

 市は、並行して第1期生となる学生募集の準備を進め、昨年11月30日に推薦入試を実施した。一般入試の出願期間は22日まで。入学試験は28、29の両日で、市総合文化センターで実施する。初日は学科試験、2日目は小論文と面接を行う。合格発表は来月5日。市民健康センター正面玄関前に掲示する。一般入試は当初、健康センターで行う予定だったが、入学願書の取り寄せが市の予想を超える約80人分あったため、文化センターに変更した。

市が運営を引き継ぎ4月に開校する市立酒田看護専門学校
市が運営を引き継ぎ4月に開校する市立酒田看護専門学校



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