2010年(平成22年) 4月23日(金)付紙面より
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庄内みどり農協は、酒田市の山居倉庫そばのジェラート店「こめっこ」の新メニューとして、旬の果物をふんだんに使った「JA(ジェ)ラートパフェ」の販売を始めた。1日限定20個で1カップ380円。果物のほかにも庄内米「はえぬき」の米粉入りシフォンケーキを使うなど、「地元にこだわった一品」(同農協)にしている。
パフェは、浜中産のイチゴ「おとめ心」やアンデスメロン、刈屋地区の和ナシなど、同農協管内で生産される季節ごとの果物を順次、中心素材にしていく。第一弾は「おとめ心」のパフェ。200ccのカップにイチゴジェラート、ひと口大にカットした米粉シフォンケーキ、ジャージーバニラアイスなどを入れ、スライスした「おとめ心」と生クリームなどをトッピングした。
このところの寒さと知名度不足で、今のところ売れ行きは一休み。同農協では、気温の上昇と連休中の人出に期待している。
また、素材そのものを味わいたい人のためにカップ入り果物も販売。現在は大粒の「おとめ心」7―8個に練乳をかけたものを、1カップ150円で提供している。
問い合わせは庄内みどり農協みどり販売課=電0234(26)5535=へ。
2010年(平成22年) 4月23日(金)付紙面より
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今月29日に開館する鶴岡市立藤沢周平記念館が21日、報道関係者に公開された。1976(昭和51)年から20年住んだ東京都練馬区の自宅の書斎を再現したほか、創作メモや直筆原稿などの関係資料を展示し、地元とのつながりも紹介。作品の源となった鶴岡・庄内の風土と文化の中で「藤沢文学」を深く味わうことができる施設となっている。
記念館は、97年1月に死去した同市出身の作家・藤沢周平氏の人柄や業績を紹介し、貴重な文学資料を後世に残すことを目的に、市が鶴岡公園内に建設した。遺族らの協力で、これまでに収集した約3800点の資料のうち、約850点を展示する。
東京の自宅2階の一部を移築して再現された書斎は、20年間にわたって創作、執筆の現場として使われていた部屋で、実際に使われていた机やいす、書棚などが置かれた。机の上には自筆原稿とともに、愛用していた万年筆やルーペ、鶴岡駅と湯野浜温泉を結んでいた庄内湯野浜線の線路を加工した文鎮などが置かれ、席を外した本人がふっと現れそうな雰囲気を漂わせる。長押には庄内平野の田園を走る湯野浜電車の写真も、当時のままに掲げられている。
常設展示は3部構成。第1部の「藤沢文学と鶴岡・庄内」では、「春秋山伏記」や「三屋清左衛門残日録」などに描かれた庄内の風景を、作品の一節を織り交ぜて紹介し、藤沢作品の原風景を探る。第2部「藤沢文学のすべて」は、初版単行本全74冊を展示しているほか、「武家もの・歴史小説」「市井もの」「伝記小説」とジャンル別に作品を紹介。第3部「作家・藤沢周平の軌跡」は、年譜で69年間の生涯をたどり、郷里の人々との交流、作家になるまでの道のり、家族との暮らしの日々を、手紙や写真、愛用品などの関連資料で伝えている。
常設展示だけでは表現しきれない「藤沢文学」の魅力を企画展示で紹介する。開館記念では人気作品の「蝉しぐれ」を特集し、直筆原稿や創作メモで作品誕生の舞台裏を紹介し、新聞小説で挿絵を担当した鶴岡市出身の画家・山本甚作氏の挿絵原画、海坂藩のモデルとなった藩政期の鶴岡・庄内の郷土資料などを展示している。
記念館は鉄筋コンクリート・鉄骨造り2階建て、延べ床面積928平方メートル。1階に217平方メートルの展示室や事務室、サロンなどがあり、2階は特別収蔵庫となっている。総事業費は8億7700万円。坪庭には、自宅にあった庭木や屋根瓦などを配した。
記念館の五十嵐和彦館長は「藤沢さんが生まれ育った鶴岡・庄内の自然、文化、風土と記念館を通じて、来館者と作品のきずなが深まれば」と話している。
入館料は大人300円、高校生・大学生200円で、中学生以下は無料。入館は午前9時―午後4時半。休館は毎週月曜(月曜が休日の場合は翌日以降の平日)。問い合わせは同記念館=電0235(29)1880=へ。