2011年(平成23年) 5月8日(日)付紙面より
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庄内浜で捕れた魚を使ったハンバーグ風の料理「お魚ナゲット」(仮称)が開発され、6日、鶴岡市羽黒地域の全小・中学校の給食で提供された。子供たちには「おいしい」と好評で、開発した地元かまぼこ店の店主は「庄内の魚に親しむきっかけになれば」と手応えを感じていた。
開発したのは鶴岡市本町一丁目のかまぼこ店「竜泉・滝川」の滝川義朗社長(53)。昨年度から2カ年にわたり、県のやまがた地域産業応援基金の助成を受け、「地産地消」で地元食材を使った特色ある練り製品の開発に取り組んでいる一環。
カナガシラのすり身とタマネギのみじん切り、豆腐、つなぎに庄内産はえぬきの米粉を加えて練り、油で揚げた。カナガシラは味が上品で栄養価が高いが、食べ方はみそ汁が一般的のため「魚嫌いの子供でも食べられるものを」(滝川さん)と試行錯誤を重ねたという。
この日は、由良漁港で捕れたカナガシラ約100キロを原料に、羽黒一―四小と羽黒中の計5校の全児童・生徒と教職員、合わせて約900人の給食に提供された。
このうち羽黒二小(齋藤直英校長、児童176人)では、5、6年生の教室でそれぞれ、滝川さんが写真を示し、「カナガシラは今が旬」などと解説。子供たちは「チキンナゲットと魚の中間ぐらいの感じ」「魚臭い感じはしなくて、おいしい」「また食べたい」などと好評だった。6年生の教室では魚嫌いだという数人を含め、全員が「おいしかった」と手を挙げた。
滝川さんは「カナガシラはもともと、味が良い上、練り製品にも合う。魚嫌いの子もおいしいと食べてくれ、苦労したかいがあった」と話した。
子供たちからは製品名の提案を含めアンケートに答えてもらった。さらに改良し、年度内に再度、給食で提供の予定。給食メニューへの本格採用を目指すという。