2011年(平成23年) 8月25日(木)付紙面より
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日本海沿岸東北自動車道(日沿道)が早期の全線開通に向け大きく前進した。国土交通省の東北、北陸両地方整備局は24日、日沿道の未整備区間となっている朝日まほろば(新潟県村上市)―温海間約36キロと、遊佐―象潟(秋田県にかほ市)間約17キロの山形県の両県境の2区間について、具体的な整備案を検討する「計画段階評価」に着手すると正式に発表した。日沿道の早期整備に向け吉村美栄子知事と新潟県の泉田裕彦知事が共同で23日に国土交通省へ要望活動を行った際、大畠章宏国交相が計画段階評価着手を伝えていた。これで未整備区間の事業着手にめどがつき、新潟市と青森市を日本海沿いに結ぶ日沿道約320キロの全線開通の視界が開けた。
日沿道の山形―新潟、山形―秋田の両県境区間は、1997年2月にそれぞれ基本計画区間となった。このうち、酒田みなと―遊佐間約12キロは2009年5月に整備計画区間に格上げされ、同年に事業着手されたが、残る区間は整備着手の見通しがつかないままとなっていた。
日沿道は、東日本大震災の際、被災した太平洋側の道路の代替機能を担ったが、「ミッシングリンク」の未整備区間で一般道が混雑するなど課題が浮上。国交省は今後の災害対策も念頭に、太平洋側とともに東北地方の南北を貫く大動脈である日沿道の早期全線開通を目指す方針を固めた。日沿道の整備により、北陸自動車道などを経由した関西圏との物流の利便性も高まる。
日沿道のうち、秋田県内の二ツ井白神―あきた北空港間約16キロについても、昨年11月に計画段階評価の対象区間となっており、日沿道で未整備区間の3区間すべてが評価対象となった。二ツ井白神―あきた北空港間は近く整備案がまとまる見通しで、朝日まほろば―温海間、遊佐―象潟間については東北、北陸両地方整備局の社会資本整備審議会道路分科会地方小委員会で来月中旬にも、整備案取りまとめに向けた意見聴取が始まる。
日沿道の未整備3区間について国交省は、震災復興に関連した事業展開の方向性を視野に入れている。同省は被災地の高速道路整備を復興支援として今後10年以内に完成させる方針を示しており、日沿道の未整備区間も数年以内の事業着手後、10年以内程度での完成を目指す方向とみられる。
国交省は昨年8月、公共事業の実施に当たり、事業の透明性を図る目的で事業内容を検証する計画段階評価を新たに導入した。事業評価については、地元の意見や第三者委員会の意見を聞くなどして複数の代替案を比較、検証し、整備案を取りまとめる。その後、対象事業の環境影響評価や都市計画決定などの手続きを経て、新規事業採択となる。
2011年(平成23年) 8月25日(木)付紙面より
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大相撲秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)から十両に復帰する郷土力士の北勝国(26)=本名・林英明、八角部屋=が24日、同市白山の大泉保育園(平藤久喜園長、園児106人)を訪問し、園児たちと相撲を取るなどして交流した。
北勝国は2001年春に角界入り。08年3月の春場所で十両に初昇進したが、右手首のけがで休場が続き番付外まで転落した。その後は復調し、幕下西9枚目で臨んだ今年7月の名古屋場所は5勝2敗で4場所連続の勝ち越し。3年半20場所ぶりに関取へ復帰した。番付外からの関取復帰は昭和以降で初めて。
今回、地元の後援者などによる激励会に出席するため帰郷。これに合わせて「地元の方々に恩返しがしたい」と、実家に近い白山地区で保育園児と交流した。
この日午前10時ごろ、北勝国は同保育園に到着し、年少、年中組の園児約50人とマットで作った土俵で相撲を取るなど交流。園児たちが5人がかりで押し、北勝国がコロリと土俵の上を転がると周囲から大歓声が起こっていた。園児たちは「すごく大きくて重かった」「おなかが硬かった」と口々に話していた。
また、世代間交流で同保育園を訪れていた湯野浜思恩園(鶴岡市湯野浜一丁目)のお年寄りや、年長組の子供たちと一緒に記念撮影した。交流後、北勝国は「本当に頑張らなくてはと思う。今日会った子供やお年寄りに勝つところを見せたい。気合が入る」と話していた。
その後、荘内日報社の荘司俊治相談役方を訪問。荘司相談役は角界入り後から応援を続けており、北勝国自身が「感謝の言葉を伝えたい」と訪問を申し出た。荘司相談役は「いつも新聞やテレビで見ている。とにかく頑張れ」と激励。北勝国は「いつもありがとうございます。精いっぱい頑張ります」とあいさつし、握手を交わした。