2012年(平成24年) 2月1日(水)付紙面より
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鶴岡市は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が同市茅原に所有する雇用促進住宅「ちわら宿舎」の移譲を受け、新年度から市営住宅として利用する。鉄筋コンクリート造り5階建ての集合住宅が2棟計80戸あり、当面、市は老朽化などで廃止を予定している市営青柳住宅と黒瀬住宅の代替住宅としてちわら宿舎を利用するほか、一部を高齢者向けにバリアフリー化する構想も描いている。
全国各地に設置されている雇用促進住宅は2007年の閣議決定で、地方自治体などへの売却や廃止が決まっている。鶴岡市内には、いずれも鶴岡中央工業団地近くに宝田宿舎(2棟計80戸、1983年完成)とちわら宿舎の2カ所があり、機構側からの譲渡の申し入れに対し、建築が1993年と比較的新しいちわら宿舎のみを取得する方針を決めていた。
ちわら宿舎は敷地面積約6500平方メートルで、市は住居棟と集会所、自転車置き場、ごみ集積所を含めた土地、建物一式を計9011万5000円で取得する。2月中にも機構側と正式に契約し、3月末に移譲を受ける。4月からは市営住宅として活用し、建築年数を考慮した家賃を定め、3月定例市議会に関係条例の改正案を提出する方針。ちわら宿舎の1戸当たりの間取りは3DK(4・5、6、6畳)で、専用面積は約53平方メートル。
移譲後は、老朽化などで廃止を計画している長屋タイプの市営青柳住宅(84戸、1月1日現在入居30世帯)と、戸建てタイプの黒瀬住宅(5戸、同4世帯)の代替や新規入居者用の住宅として活用する予定。
また、高齢化の進展による高齢単身世帯の増加を背景に、市営住宅入居の希望が増えつつあることを考慮し、ちわら住宅の一部を高齢者向けにバリアフリー化する構想もある。居室の玄関や浴室、トイレなどをバリアフリーとし、5階建ての建物にエレベーターも設置する計画。新たな入居については、こうした改修工事後を見込んでいる。