2012年(平成24年) 3月30日(金)付紙面より
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学校法人東北公益文科大(新田嘉一理事長)は29日、酒田市の公益大酒田キャンパス本部棟で理事会を開き、黒田昌裕学長の辞任を承認、新学長にフィデアホールディングス取締役会議長で公益大後援会長の町田睿氏(74)を選任した。4月1日付で就任する。町田氏は「独立自尊の人間を生み出す大学にしたい」と抱負。その一環として、1学年を全寮制にする考えを示した。
小松隆二氏、黒田氏に続く第3代の学長に就く町田氏は1938年、秋田県生まれ。秋田高校、東京大法学部卒。62年、富士銀行に入行し常務などを務めた。95年、荘内銀行頭取に就任した。2009年から現職。
この日は新田、町田両氏が本部棟で会見。新田氏は「本日の理事会で、4月から新しい体制でこの大学を運営していくことを決めた。新学長には庄内、山形の経済を立て直した町田さんにお願いした。庄内を自立させる人材、世界に羽ばたく人材、そして地元を活性化できる人材を育成する教育をしてもらいたい」と述べた。
また、新たに理事長補佐を設け、鈴木孝純三川町教育長、金野信勇羽黒学園顧問が就いたことを明らかにした。
町田氏は「人間教育に懸ける新田理事長の思いに共鳴し、悩んだが引き受けることにした。新田理事長ともども、連帯して大学運営に責任を負う」と決意を表明し、「庄内は20年近く住み第二の故郷。公益大は開学から10年が経過し、創業から発展する時期に差し掛かっている。学内みんなが力を合わせ、新しい体制で大学改革を実施していく」と述べた。
今後の運営方針については「今までも民間の立場でこの大学を見てきた。私立大学であり、経営的な感覚が必要。この1年間、改革、見直しを進めてきた。それを4月から実施する」と話した。
その上で、「公益学は人間が共存していくための学問。『利他』の精神をきちんと身に付けさせたい。そのフィールドとして庄内は最適で、まさに『公益の里』。古来の文化を元に、自立した人材の育成に努める」と抱負を述べた。