2012年(平成24年) 5月1日(火)付紙面より
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鶴岡市櫛引地域の赤川右岸にある「馬渡の桜」が満開を迎え、ゴールデンウイーク前半の連休中は庄内各地や県外からも花見客が押し寄せ、残雪が輝く月山と鳥海山、そして満開の桜の「競演」を堪能していた。
「馬渡の桜」は、同市黒川から馬渡にかけての赤川堤防約1・5キロと、その北側に続く馬渡川(旧中川)の堤約700メートルの桜で、ソメイヨシノを中心にサトザクラ、シダレザクラなど約300本が桜の回廊をつくっている。映画「おくりびと」「座頭市 THE LAST」のロケ地になったことや、月山と鳥海山の眺望が美しいこともあり、近年は桜の季節を中心に行楽やウオーキング、サイクリングを楽しむ人が増えている。
馬渡地区の住民によると、今年は例年より1週間ほど遅い4月24日ごろに咲き始め、連休に合わせるかのように28日ごろ満開に。「天候にもよるが5月2日ごろまで楽しめるのでは」と話す。
初夏のような陽気に恵まれた29日は、県外ナンバーの車も多く、家族連れや若いカップル、カメラマンたちが堤のあちらこちらで写真を撮ったり、散策したり、桜の下で弁当を広げたりして花見を楽しんでいた。東京から鶴岡に帰省して足を運んだという50代男性と40代女性の夫婦連れは「話には聞いていたが、残雪の月山と鳥海山と満開の桜は圧巻。こんな所があるんだと驚いた。これこそ日本の風景と感じ、何か幸せな気分になった」とうれしそうに話していた。