2012年(平成24年) 5月18日(金)付紙面より
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鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所(冨田勝所長)で16日、本年度特別研究生の入学式が行われた。「世界と勝負できるような研究者になりたい」という鶴岡市内の高校生、高専生計15人を受け入れ、若い世代の自由な発想で研究を進めてもらい、最先端の実験機器の使用を許可するなど全面的に支援する。
先端研は2009年度から鶴岡中央高生を研究助手に採用し、若い人材からバイオサイエンスの最先端に触れる機会をつくってきた。さらに、昨年度は鶴岡南高の生徒6人を特別研究生として受け入れるプロジェクトを初めて実施。その後、同市内の他高校からの要望もあり今回、その間口を拡大した。
3月末から4月上旬にかけ、要望のあった鶴岡市内の各高校に応募をかけ、説明会と面接を経て鶴岡南高から10人(1年3人、2年5人、3年2人)、鶴岡中央高から1人(3年)、羽黒高から2人(1年と2年各1人)、鶴岡高専から2人(専攻科1年と同2年各1人)の計15人を選抜した。
入学式には研究生と保護者、先端研の学生、各高校の校長など来賓合わせて約人が出席。はじめに冨田所長が「新興国の台頭に対し、日本は科学技術を高めなければ生き残れない。そのためには大学受験の勉強ばかりでなく、高校生のころから最先端の科学技術に触れ、世界と勝負できる科学者を増やす必要がある。貴重な体験ができるプログラムへ参加することに責任と誇りを持ち、いま面白いと思うことを楽しみながら研究してほしい」と式辞し、15人全員に受入証を手渡した。
鶴岡南高の五十嵐光君(2年)は「昨年度からこのプロジェクトに参加し、カブトエビの生態を研究してきた。いつかノーベル賞級の成果を上げ、世界的な科学者になりたい」と意欲を見せ、早速先端研の学生らスタッフとスケジュールを打ち合わせていた。
研究生たちは今後、それぞれ独自の研究テーマを探り、計画を立案する。放課後や夏休み期間などを利用しながら先端研に足を運び、最先端の実験器具を使って研究を進める。研究費などは先端研が負担するという。