2012年(平成24年) 9月2日(日)付紙面より
ツイート
鶴岡市羽黒町の出羽三山神社(緒方久信宮司)の「八朔祭」が31日深夜、羽黒山頂で行われ、「秋の峰」で山伏修行を積んだ修験者たちが勇壮な火祭りを繰り広げた。
八朔祭は秋の峰を締めくくる祭り。五穀豊穣(ほうじょう)などを願うとともに、修験者たちが新しい生命を得て生まれ変わるための自分の葬儀でもあるとされる。
今年は北海道から中国、四国地方まで、21歳から75歳までの修験者146人が参加。26日から羽黒山中腹の「峰中堂(ぶちゅうどう)」にこもり、月山山頂や秘所・東普陀落(ふだらく)などを巡る山駆け、断食、トウガラシなどをいぶした煙の中に居続ける「南蛮いぶし」など、山中で再び生まれ変わるという「擬死再生」の荒行を積んだ。
午後10時ごろ、修験者たちが出羽三山の開祖・蜂子皇子を祭った蜂子神社前に到着。神事で修験者たち全員の山伏名が読み上げられ、祝詞を唱えた後、神社向かいの護摩壇(ごまだん)に火が放たれた。
秋の峰を10回以上経験した修験者「度位の新客」たちが長さ約4メートルの棒で護摩壇を突く「火ばし行事」が始まると祭りは最高潮に。修験者たちは体を回転させながら勢いよく火柱を突き、火の粉を舞い上がらせていた。